止まっている。

なにも動かない。

そういう風に感じる自分すらいない。

無の空間。

虚無の世界。

そこに投げ出された、僕がいる。

止まっている。

なにも動かない。

僕は(停滞)している━━━━

生きている。

僕は、生きている。

ちゃんと息をしているし、身体も動く。

笑えるし、泣けるし、悲しめる。

でも、

僕は、

どこにも進んでいない。

僕は(停滞)している━━━━

そんな僕のココロに、

ほんのわずかな風が吹いた。

小さな出来事だと思った。

すぐに感じなくなるはずだった。

でも、その風は僕を覆い尽くして、

とても温かく僕を包んで━━━━



日射しが初夏を感じさせる季節。

時が止まったような、静かな街。

あたり前の日常が動き出す。

静止していた時間が、

加速する。

加速していく。

刺激的なことしてみたいな。

刺激的なことしてみる？

花が風に揺れてるだけで感動しちゃうの。

ちょっとおかしいかな。

青色の夢って、どんな夢かわかりますか？

私の心の色、見えますか？

ここは、とても素敵な世界ね。

ずっと、見続けていたい。

瞬きする時間も惜しいくらいに。

気持ちと違う言葉がでてくるの。

これって、病気なのかも。

私はこの場所が好き。

あなたのいる、この場所が好き。



おもしれーことねーかな。

退屈をおもしろがればいいんだよ。

あなたもここにいるのよ。

わかるでしょ？

ふふっ。わかってるくせに。

お願い。止まらないで。

止まらないで。

お願い。

止まってなんかいない。

あなたは動いている。

加速できる。

あなたなら、加速できる。

本当に？

動いてる。加速している。

止まっていた時間を取り戻すように。

君と一緒の速さで。

きっと僕は、

前へ進んでいる。



誰かに聞いたことある。

宇宙は絶えず膨張を続けてるんだって。

生きてるんだって。

けど、僕にとって、

宇宙は止まってるようにしか見えない。

止まってるっていう事象は、

ある意味、すごく永遠に近いと思うんだ。

だってほら、

そういうほうが、なんか、宇宙っぽいし。

宇宙は止まってるんだ。

僕の気持ちが(停滞)してるように……