ある詩人の物語
- カテゴリ:自作小説
- 2012/10/21 16:23:34
ある街に詩人がいた。
詩人になった理由。
子供の頃、
みんなが自分の詩を褒めてくれた。
自分の心から出る言葉を詩にしていた。
言葉とそのリズムの力を信じてた。
詩を書いて、書いて、毎日が過ぎていく。
詩が売れることは少なかったけど、一緒に住む彼女が支えてくれた。
夜の仕事に出かける前に、いつも彼女は置き手紙を書いた。
小さな便せんに美しい字で書いてくれた。
『あなたの言葉は真実』
『あなたを信じている。』
ある日、一遍の詩が売れた。
プロデューサーが詩を歌に変え、歌手が歌った。
すべてが変わった。
歌は売れ詩人を有名にした。
みんなが褒めた。
彼女も褒めてくれた。
詩人は歌をたくさん書いた。
お金もたまった。
みんなが笑顔で声をかけてくれた。
詩人は自分の言葉がみんなの笑顔になるのが嬉しかった。
そして彼女の笑顔。言葉。
『あなたを信じてた。』
とてもとても嬉しかった。
詩人は自分の心の奥底を言葉にしようと思った。
それは自分の欲望と感情の本質を抉り取る作業。
彼女はその詩を笑って褒めてくれた。
『あなたの言葉はいつも正しい。』
詩は歌になった。
でも、その歌に皆は顔を背けた。
自分の嫌いな感情、汚い気持ちをさらけ出す言葉。
誰も聞きたがらなかった。
全ては変わった。
みなはその歌をけなし、詩人から離れていった。
仕事は無くなり生活は荒んだ。
彼女と喧嘩も増えた。
そして、いつしか別れが来た。
詩人は今も詩を書き続けている。
もうなんのために書いているか、誰のために書いてるか、分からない。誰も褒めてくれない。
詩人はただ自分を言葉にしたかった。
ある日、一遍の詩が売れた。
心の奥の奥底にある気持ち。
自分の愛について書いた言葉。
客から便りがきた。
小さな便箋。
美しい字で書かれてた。
『信じてた。あなたの言葉。正しかった。』
彼は泣いた。
Inspired by AMAZARASHI
こちらこそありがとう。
昨日は、いってみたい時代を制覇しました。
次は何を読もうかな~♪
ありがとう。癒やすコトバに。ありがとさん。
字余り。
確かに、詩は、〝し〟と読み〝うた〟とも読みますもんね。
リズムを楽しむなら、和歌などに挑戦しても面白いと思います。
韻を踏んだ詩もありますが、散文詩で書かれた詩もあります。
リズムを気にせず、てらもっちさんが心に思う詩(文章)でいいと思います。
何より、自分に素直に書けるのもまた一つの才能です。
てらもっちさんの詩は、十分魅力的だと思いますよ。
気が向いたら、五、七、五で、風景や物を題にひとことに毎日書いてみても楽しいと思いますよ♪
ちなみに、私も詩を書きますが、自分の気持ちなどをよく書いて、風景などはあまり書きませんし(笑
誰かに自分を知ってもらいたいと思う人ほどそうなのかも知れませんよ?
僕の文章は自分のことしか語ってなくて、風景や他の人の気持ちとかの話題は少ない。
ある意味、誠実だし正直なんだけど、自分しか語ることがないっていうのは、結構寂しいね。
詩というものは韻を踏んで、リズムを楽しめるものらしい。僕にはそんな腕がない。
あれ。また自分の話題だな。ハハハ。
寂しい僕。
どんな文章にも〝あなた〟が出ているものだと思います。
あなたの言葉は、あなたが言葉にするから意味がある。
私、何気に、ニコに来て一番最初にてらもっちさんの詩を一番にお気に入りにしました。
てらもっちさんが書いた言葉に魅かれたんだと思います。
詩は、私も好きで書きます。
詩ほど、自分の気持ちが出る言葉はないと思います。
人にわかってもらえると、嬉しいですよね♪
自分の言葉の意味、私も少しずつわかればいいな。
ありよしさんのページいってみますね。
ありがとう。自分の言葉ってなかなか。。
なかなか悩んできたとこなんだよね。
自分の言葉の意味がわからなくてね。
でも、最近少しずつわかりつつある気がして
それがとても嬉しいのさ。
あ、ぼくのページのあしあとから『ありよし』さんのページにいったらいいよ。
あなたみたいな人にはあっていると思う。
てらもっちさんに会って初めてしりました。
てらもっちさんの言葉に直した詩、好きかもです。
てらもっちさんの言葉で書かれてるから
コメントありがとう。
Amazarashi好きそうですね。
真似なので
オリジナルには申し訳ないと思うんだけど、僕もこの詩が好きで言葉の世界に直したらどうなるかな。と思って書いてみました。
あ、訪問ありがとう。
ぼくはあまり信じることが少ない人間なので、信念を持つ人を羨ましくも窮屈にも感じます。
愛ぐらいですね。割と信じてるもの。