Ｌａｓｔ Ｌｏｖｅ ４
- カテゴリ：小説/詩
- 2012/10/20 04:58:17
～ＬＡＳＴ ＬＯＶＥ～ 最初彼と出会った頃私は
彼はまだ五十代後半ぐらいかなと 思っていた・・・
「詐欺だよ 社長 もっと若いかと思っていた。」 と笑って言ったら
彼からも 同じ言葉が返って来た。
「俺も 君はまだ 三十代だと思っていたよ。」 と
「じゃあ もっと詐欺じゃない お互いに自分の歳は わかっていたんだから。」
お互いに 大笑いしながら 寒い日の夕暮れ時・・・・・
彼のコートのポケットの中に 私の手をそっと入れて
指を絡ませながら 藍色の空を見上げた。
そして 光々と輝く一番星を 見つけた私は
ほんのわずか不安になった。
二人こうして歩いている時は 不思議なくらい自然で 歳の差なんて感じない。
でも あきらかに二十歳の歳の差だけは 決して縮まる事はないのだ。
若い時の二十歳差は さほど気にならないかもしれないけれど
半世紀近く生きた私には この歳の差は あまりにも大きいと・・・
彼の肩に頭をかたむけ 頭の中で 色々な事が渦巻いていた。
でも 私は決めた。
ずっと離婚してから３０年間 男手一つで 二人の子供を育て上げた彼のために
私の人生を 彼にたくそうと。
歳が離れすぎていても 彼に最後までついて行こうと。
たとえこの先 一緒にいられる時は 短いかもしれない。
だからこそ 一つでも 多くの思い出を作り
楽しく そして 老後になっても 私が彼の手を引いて・・・ そう 決心した。
そして これが 私の 「ＬＡＳＴ ＬＯＶＥ」 と・・・・・
まるで違う目線で恋愛を見つめ
若いころには見えなかったいろんなことを
全部ひっくるめてもこの人と・・・・。
そう決断させるのはやはり恋愛の持つ不思議な力のなせる業なのでしょうね。