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金神奈落

まだまだ文章推敲中なんだけど

こんじんならく【金神奈落】
忌むべき金神と、畏るべき大地の底(地獄)、即ち最も忌み畏るべき場所という意


一、金神とは?
 金神とは、如何なる神であろうか?
古語辞典・広辞苑を引くと、陰陽道で祀る方位の神。戦乱・日照り・流行病・死などを司るといわれ、この神が居る方角に対して土木を起こし、出向・移転・嫁娶などを厳しく忌む、といった事が書かれている。そのため、金神が在位(在泊)する方位を避ける方忌みが行われてきた。

 金神は陰陽五行説から生まれた凶神(方位の凶神)で、五行(木火土金水)の金を神格化したもの・金の精とされるが、その直接的なルーツは定かではない。金神に対して、木神や火神等は今まで聞いた事がないので、何か特別な神のように思える。土中にある光り輝くもの、鉱物・金属が原意で、金属の如く冷徹・堅固・確実な性質を表わし、方位では西、季節では秋にあたり、夏=南=火に発展したものが、その勢いを失って縮小・収縮していく状態を司る。そこで衰退・殺伐・退縮などマイナスにイメージされ、金属本来の冷たく固い性質と金=刃物・武器という連想、万物が活動を止める冬=水の前の五行である事から、殺気の五行と見なされてきた。粛殺や戦争など、闘争の意味合いが強い。こうした観念から凶悪な方位神が神格化され、祟り神の金神が生まれたとされる。その性質は冷酷無残とされて、金神の在位する方角は物心全て冷酷無残となる、極めて良くない方角とされた。鬼門と同じく、いやそれ以上に忌み嫌われ、人々に恐れられてきた。

 金神は平安時代の具中暦(ぐちゅうれき)などの古い暦には記載されていなかった。それが平安末期の頃より朝廷でその忌みの用棄が議論され始め、民間に流出して江戸時代になってその形が整えられた。江戸時代(または戦国期)に一部の頒暦に載り始め、江戸時代半ば頃にはどの暦にも掲載されるようになった。




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