何年前だったかな?(エッセイ)
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/09/24 18:13:51
そう、大好きなお馬さんたちを追いかけていた頃・・・札幌、新潟、福島、中山、府中
好きな仔が出走するたびに、追いかけやってた。
横断幕持って・・・
その時、作った「絵本でもなればな・・・」と思い書いた詩?エッセイかな?
でも・・・決して叶う事がないものなのです。
切ないけれど・・・でもその切なさは人にも言えることかな?
そして又次の丘を半分登り・・・
そこからはおうちはもう見えなくて・・・
高い 高い柵の前で うろうろしています。
そしておうちに戻りかけては、また振り返り・・・
いつまでたってもおうちに戻ることができません。
高い高い柵の向こうには とても気高い真っ白な素敵な牡馬(おうま)・・・
チラッと柵越しに横目で見ては 決してその柵に扉をつくろうとはしない・・・
ねぇ・・・もう帰りなさい・・・
その柵は永遠に 乗り越えることはできないのだから・・・
その柵には 永遠に扉はつかないのだから・・・
おうちに帰る道 覚えているうちに 早くおうちに帰りなさい。
いつまでもおうちに帰らないとそのうち おうちの扉にも鍵がかけられてしまうョ。
まだ足跡が残っているうちに早くおうちに帰りなさい。
高い 高い柵・・・永遠にできる事のない扉。
4月期
しと し と 雨 が 降 っ て き て
足元の草があたり一面ぬれだして牡馬は自分の家に戻りかける。
チラッと振り返り・・・
ほんの少し鼻を鳴らし自分の家へと帰っていく。
牝馬は柵まで駆け寄って 高く高く いなないてでも そのいななきは どんよりとした梅雨空の雲の中に消えていく。
けして牡馬の耳まではたどり着くことなくはかなく はかなく消えていく。
泣いて 泣いて 涙の向こうに見えるものは・・・遠ざかって行く牡馬の後姿・・・
ねぇ もうおうちに帰ろうよ。
きっとおうちには その涙と濡れたたてがみを拭く乾いたタオルがあるはずだから・・・
柵越しに会えただけでも・・・幸せだったね・・・
6月記
暑い 暑 い 日 差 し の 中 で
牝馬は かわいい仔馬と日陰を探しながら 毎日を過ごしています。
時々 涙が出そうなくらい澄み切った青空を見上げては・・・
もう 会えなくなった 牡馬を思い出し。
でも・・・もうじき・・・大切な大切な仔馬ともお別れの日が近づいて・・・
それをまだ仔馬は知らない・・・
牝馬の横で 寄り添いながら昼寝をし 草を食べ時々 遠くまで駆けて行き・・・
それを牝馬は呼び戻し・・・
牝馬の目からは大粒の涙がこぼれ落ちる。
そしてまた 高く 高く いなないて・・・
そのいななきは・・・かすかに遠く離れた牡馬の耳までやっとたどり着き
でも もう・・・高い 高い柵のところまでは行くことができなくて・・・
時折吹く風に たてがみを揺らしながら遠くを見つめる。
でも・・・もしかしたらその風は・・・牡馬の心かもしれないよ。
8月記
生きてる意味って?
ん~特に、意味はないと思うと答えた。
あぁ~でもね、他人には、あなたが今、生きてることに意味があるかも?
と、言ってみた。
ふぅ~んと、うなずき、ながらも納得していないようだった。
僕は、あの時、あなたに、囁いた言葉を
今でも、信じてる。