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■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(11)

■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|二 (4)

シムボリズム、クラシシズム、ロマンチシズムの三名目が哲學者ヘーゲルの美術論に於いて、始めて最も明瞭に文藝彙類の對照語として用ひられたことは人の知る所である。然るに近世の評論家が之を近世の文藝に應用するに及んで、其の意義と場合とに變化を來たした。近時の用語例による時は、十七八世紀に亘つた歐洲の文藝は、大勢に於いてフランスを中心とし、ギリシャ、ラテン古風格に基づいて一種の體を形づくつた。之れを總稱してクラシシズムと呼ぶ。彼等はあらゆる作品に均整、統一、規律、明晰等の智巧的條件を要求する。知巧的といつてよからう。



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*註1:哲學者
「者」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/mono.jpg

*註2:文藝
「文」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bun_aya.jpg

*註3:知る所
「所」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/tokoro.jpg

*註4:近世・近時
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。

*註5:評論家
「評」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/hyou.jpg

*註6:十七八世紀
「紀」の俗字体(か?)。旁の「己」が「已」。

*註7:要求
「要」の俗字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/you.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1

(2014/11/02/初校)




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