黒猫様
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/08/09 00:35:04
すべてはうまく行っていた。
ボクに出来ないことは無いと自惚れていた。
夏の暑い日差しの下、神社の杉の木からセミのうるさい鳴声が絶え間なく響いている。
サッカーボールを灯篭に当てて、また壊した。
これで4回目だ。
「あきたな・・・帰ろっと」と、ボクは誰かに見つかる前に神社を出た。
その帰り道、黄色の目をした黒猫に出会った。
得意のサッカーボールで、こらしめてやろうと、思った。
しかし・・・どういうわけか足は動かなかった。
それどころかボクはその黒猫を抱きかかえて家へ戻った。
家では当然飼えないので、家の隅にダンボールを置いて「自由研究の箱だから絶対触らないで」と、親にウソをついた。
意味がわからない。何故ボクはこの黒猫のためにここまでする必要があるんだろう?
エサなんてやらなくてもいいはずだ。
そうだ・・・ダンボールに入れてやっただけでも・・・。
それなのにボクは・・・牛乳を手に取り、深い皿を用意してエサを与えた。
その夜・・・いつもは話もしないのに
ボクは親と話した。
自由研究で猫の観察をしているんだと、話した。
それは猫を飼っていると、告白したようなものじゃないか
と、自分で思ったが。
親は熱心に聴いてくれた。
わけがわからない。
そう思いながら眠りについた。
次の日の朝、ボクは黒猫になった。
ボクは鏡を見て、黒猫になったことに絶望した。
バチが当たった。と、思い、ボクは灯篭を壊したことを謝りに行った。
泣きながら謝った。
しかし、神主さんには言葉は通じない。
何故なら猫だから・・・。
お願いです・・・なんでもしますから許してください。
そう思ったとたん・・・ボクは自分が道に倒れていることに気づいた。
・・・・・・ボクはゆっくり起き上がり、神主さんに謝りに行った。
「はは、坊主。お前も黒猫様にあったかや?」と、言われた。「黒猫様?」と、聞き返す。
「黄色の目をした黒猫様のことだがや」
ああ・・・うん。会いました。と、叫んだ。
「それで謝りに来たんだな。人間やめてみてどうだった?」
「怖かった・・・」
「そうじゃろ、そうじゃろ・・・その気持ち忘れるなよ」
はい。そうつぶやいた時、ボクは大泣きしていた。
ps:完全な作り話かもしれない
あい
私は黒猫が好き^^
真っ黒な顔に光る黄色い2つの目
惹きつけられますよね〜
猫はあの世とこの世を繋ぐ生き物
だからでしょうか?
ありがとう^^
猫の話素敵です
おっと行ってきます
優しい話だね^^