名前を知ると関係が変わる
- カテゴリ:小説/詩
- 2012/07/29 23:55:20
名前を知ると存在するようになる。
たとえば鳥。
数年前まで、私にとって存在していなかった。
今のところに越してきて、色々な鳴き声をよく聞くようになり、
気になって、CD付き野鳥図鑑を買って
おもに鳴き声から、その名前を知るようになっていった。
すると、今まで漠然と、鳥の鳴き声だと思っていたものたちに
変化が生じる。あれはハクセキレイ、空たかく鳴くのは四十雀…
電線に沢山とまっている、あれはムクドリ…。
それは、いままでだって、ここに越してくる前にだって
きっと目にしていた、聞いていた鳥だったと、ある時気づいた。
名前を知る迄、存在していなかったのだ。
植物は、亡父が好きだったこともあって、
鳥よりは、ずいぶん名前をしっていた。
けれども、ヤブカラシ。
この植物だけは名前が長いことわからないままだったが、
ずっと中学生位から気になっていた、
わたしにとって、ずっと存在していた。
けれども名前を知った途端に
あちこちで姿を見るように。
うちのマンション下にも生えていたと判明。
名前を知ると関係がやはり変わるのだ。
それは、『陰陽師』でしょうか?
あと、昔話でも、『大工と鬼六』…
橋をつくってくれた鬼の名前が言えたら、
それを頼んだ大工の眼玉ひっこぬかれずにすむ、
鬼が逃げ出す、というお話がありました。
フランスでも、やはり何かをしてくれた魔物の
名前が言えたら、呪いはなくなるという民話があったと記憶しています。
呪と祝という字も似ていますね。
そういえば、神社などで、いただくお守りには、神様の名前が書かれてあるそうです。
名前を書くことで、お守りに、神が宿るのだとか。
逆に名前を書かないと宿らない…。
名前というものについて考えると、奥がふかいですね。
あ、仕事いってきます。でかけねば。
ありがとうでした♪ いってきまあす。
それで、その存在のかたちをたもっているとか。
なので、ほんとうの名を人に知られないようにしたそうですよ、昔のひとは。
名は呪で言霊。
いのちをかたどっているそのひとだけの言葉。
大切なものですものね(^^)
佳子と稽古とか、同音異語もおもしろいなあと思います。
生むと膿むとか。
髪と紙と神とか。
ただ、それとはちょっと違います~(笑)
桂子さんて、名前を知るまでは、自分にとって、ほとんど存在しなかった、みたいな経験を。
電車にのってて、毎日おなじ電車であっていたのに、名前などわからなかった人が、
ぐうぜん、同じ職場になったとか、そうしたときに、はじめて名前をしって、
関係がかわったりとか。
あるいは、とおりすがりの人物で、それまでだって、よく顔をあわせていたかも
しれないのに、どこかで名前をしりあうと、そのときから、たがいに存在しあうというか。
さて、またおしごとしてきまあす。