童話のお話2
- カテゴリ:日記
- 2012/07/23 22:17:02
完璧なお姫様の条件とは…?
子供の頃に読んだ童話、えんどう豆の上に寝たお姫様というお話。
このお話には「完璧なお姫様」の条件が記されていました。
完璧なお姫様の条件とは?
優雅な仕草ができること。
高い教養に満ちていること。
美しい心と容姿を持っていること。
いいえ、そんなものは些細な物なのです。
本当に完璧なお姫様の条件とは…
えんどう豆の上に寝たお姫様という物語のあらすじです。
昔、ある国に年取った王妃と息子の王子がありました。
王子も年頃になったので妻を娶ろうと思いました。
王子は「妻にするなら完璧なお姫様が良い」と思い、理想の花嫁探しのたびに出かけました……が、理想の花嫁に出会うことなく数年後城に帰ってきました。
王子が帰ってきてから少し後の嵐の夜、白の扉を叩く者がいました。
重い扉を開けてみると、ぐっしょりと雨にぬれた娘が一人。
「風のうわさに聞いたところ、こちらの国の王子様が花嫁を探しているとのこと。私こそ『完璧な姫』です」と言います。
お姫様が一人きり、雨の中徒歩で来るというのもおかしな話ですが、何かを感じた王妃は娘を城内に招き入れます。
王子は母に「完璧なお姫様がこんなナリで来るはずが無い。真っ赤な偽物に違いありません」と囁きますが、王妃はすまし顔で「まぁ見ていなさい。本物かどうかは直ぐにわかるのだから…」と笑顔で答えました。
お姫様(仮)にお湯(お風呂)を勧め、召使と共に浴室に行っている隙に王妃はベッドの用意をしました。
ベッドの上に小さなえんどう豆を一粒置き、その上に20枚の敷布団を敷きふかふかの羽毛布団をもう20枚その上に重ねておきました。
王妃は湯から上がったお姫様(仮)をその布団の上に寝かせました。
きっと梯子が要る高さだと思われます。
そして、そんなベッド(なにしろ布団40枚ですから)の上で横になれるなんてお姫様(仮)素晴らしいバランス感覚をお持ちだったんだろうと思われます。
翌日、お妃様はお姫様(仮)に聞きました。
「昨夜はぐっすり眠る事が出来ましたか?」と。
お姫様(仮)の答えは「折角のお心遣いでしたが、なにか布団の下にあったようで痛くて寝る事が出来ませんでした。背中に痣ができてしまいました…」というものでした。
40枚の布団の下のたった一粒のえんどう豆で痣が出来るような肌は、なまなかなことでは作れません。
生れ落ちた時から、ふかふかのお布団で寝かされていたからこそこんなにも敏感な肌を持つ姫君になったに違いない。
お妃様は大きくうなづくと息子に言いました。
「彼女こそ真実完璧なお姫様であると私が認めます。すぐに式を挙げましょう」
王子はというと、身なりを整えたお姫様(本物認定)が美しかった事と、母が認めたのだから彼女こそ完璧なお姫様に違いないと思い、その日のうちに式を挙げました。
めでたし、めでたし。
えーっと、母ちゃん最強!
デレラ(ドイツ版かイタリア版だったと思う)もそうだけど、一人で徒歩で城に乗り込むって凄いよね。
しかもこちらのお姫様ってば嵐の夜に乗り込んでくるのよ。
一般的な姫君って、馬車使用、従者連れがデフォだと思うんだけどね^-^;
でだ、母ちゃんに「この子が完璧なお姫様だから結婚しなさい」と言われて喜んで結婚するとか、嫁探しにまで行ったにしちゃ王子が弱すぎな気がしてなりません。
マザコンなのか?
姫様も、世話になっておきながら「何かあって痛くて眠れなかった」とか平然と言っちゃうってね。
もそっとオブラートにくるんだ言い方しようよ(客人として持て成してくれた、館の主にこの言い草は駄目じゃないかと。召使あたりにいうならOKかもだが)
幼心に、こんなん全然完璧なお姫様じゃない!と思ったお話でした。
因みに作者は人魚姫でおなじみのアンデルセン氏です。
人魚姫の健気さを思うと、この姫様の根性が…すげーなと別の方向で感心しちゃうんですよね(苦笑)
こんなお話があるんですよ。
子供の頃は疑問を感じなかったのですが(始めて読んだのは4歳か5歳くらいだと思います)大きくなって読み返したときに「この王子ってかなりおかしいぞ。母親もちょっとキてるぞ」と思ったんですよ。
時は流れ、このお姫様(仮)ももしかしたら頭の回る娘さん(本当は庶民とか)で40枚の布団&「良く眠れたか」と言う質問で何か布団の下に仕込んだんじゃ無いかしら*ニヤリ*と考え「痛くてよく眠れなかった。痣が出来た」なんて言ってたりして…と邪推するような大人になってしまいました。
大きくなったら娘に読み聞かせしてみたいです♪