Nicotto Town



「手の中の夏」

ー夏を探してきて下さいー

これが今日の宿題です。

ユイちゃんとマミちゃんも、夏を探して、街を歩いています。

「でもさ~、『夏』とか言われてもね~」
曖昧な宿題に、二人とも苦戦しているようです。

「こんなのかな~」
と、地面を指さすユイちゃん
誰かが落としたのでしょうか、溶けかけたアイスを一匹のありがなめています。

「こっちの方じゃない」
マミちゃんが指さす先には、一匹のカエルが、ひからびて、地面に張り付いています。

「え~っ。だったらこっちの方が良いよ~」
公園を指さすユイちゃん。
花壇では、紫陽花たちが、暑さのせいでしょうか、少し疲れた様子で咲いています。

「う~~ん」
「何だかどれもぱっとしないね~」
熱い中を歩き回って、少し疲れてきた二人。
公園のベンチで一休みです。

「なかなか見つからないな~。ちょっと疲れたよ」
弱音を吐くマミちゃん。
「そうだ。良いものがあるんだった」
なにやらごそごそとポケットから取り出すユイちゃん。
「なに?」
「へへ~っ。氷砂糖だよ~。お家から持ってきたんだ~。はい、マミちゃんの分」
「あはは。ありがとう、ユイ。疲れた時は甘い物が一番だよね~」

氷砂糖を口に方に込む二人。
「あま~い」
「うん。美味しいね」
「甘くて美味しくて~、『夏~』って感じ?」
と、ユイちゃん
「そうか?その割りには生ぬるいぞ」
と、マミちゃん。
ポケットの中で、暖まっていたみたいですね。
「そこが良いんだよ。『氷』って割には冷たくないところが『夏』なんだよ」
「そうかな~。まあ、別に本物の氷じゃないしね~」

「むうっ。それだけじゃないもんっ」
反論されて、少しすね気味のユイちゃん。
「ほらっ」
氷砂糖をひとかけら、指でつまんで、空にかざします。
午後の日差しを受けて、キラキラと輝く氷砂糖。
青い空を映して、水色に光ります。
「わあ、きれい」
「でしょ。きっとさ、この中には『夏』が閉じ込められているんだよ」
「あはは。そうかもね」

手の中の夏を見つめる二人。
どうやら、お目当ての「夏」が見つかったようです。
「明日はさ、これを持っていこうよ」
「いいけど、怒られるんじゃないかな~」
「大丈夫だよ~。だって、こんなに甘くて美味しいんだもん。」
「そか。『甘いは正義』、だもんね、ユイは」
「うんっ♪」


おしまい



「ねえユイ、さっきからボリボリと食べてるけどさ~。明日持って行く分、無くなるよ?」
「大丈夫。まだお家にあるもん」
「虫歯になるよ?」
「うっ。ちゃんと歯研くもん」
「デブになるよ」
「意地悪~」
「あははっ」


今度こそおしまいっ

アバター
2012/07/15 06:40
おはようございます。

氷砂糖・・・なんだか、懐かしい響き❤
宿題・・・夏と言えば『自由研究』
必ず乗り越えなければならない難関だったな・・・ボーッ・・(*´ρ`*)
アバター
2012/07/14 16:07
今日買ってきた「氷砂糖」を食べながら作ったお話です。

いかがでしょう?

ちょっと展開が強引すぎるかしら(#^.^#)



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