Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


そのとき世界は正午だった。


じりじりと日射し。
〈その時世界は正午だった〉は誰の言葉だったのだろう?
昔、男が夢見るように呟いていた、その大本は?
あるいは男そのものの言葉だったのか。
正午に日差しを浴びると、
ふっと思い出すのだった。

町を歩いた。
乾いた畑に茄子の花。
ミヤマアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、アゲハ。
こんなに蝶がいたのかと思う。
正午の浮遊するたましいたち。
殆ど終わりかけて褪せた紫陽花。

少しだけ身体が慣れてきた。




月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.