Nicotto Town



忍者物語子供編8新しく来た子供達


コーデは先輩のくノ一の大道芸の衣装です。

本編
大人達の合議部屋に近づけない日が続いた。

やがて長い合議の末、結論が出たのか

順平を含めた数人の男達とくノ一が出て行った。

数日後、驚くほど痩せた浅黒い体と汚い服で

髪の毛がごわごわの子供達が来た。

飯炊き女やお美津達、

お涼を人一倍可愛がった桔梗でさえ

直ぐに抱き上げず立ちつくした。

連れて来た男達や女達の話だと

一つの小さな村の様な豪族の支配していた

領国が落とされた。

小さな豪族の屋敷も其の周辺の村も

殆ど皆殺しだった様だ。

生き延びた親子は隣の領土に逃げ込んだが、

問題は親が殺されて生き延びた子供達だった。

誰も面倒を見る余裕がない。

そんな子がいる事は最初は誰も気が付かなかった。

山に隠れていた子供達は

最初は焼け残った村の家の食べ物をあさったり、

畑の食べ物で飢えをしのいでいたらしい。

やがて野犬が出てきて、襲いだした。

野犬に追われる様に隣の領土に逃げてきた。

そこで畑を荒らしたり、

人けのない農家に泥棒に入ったりしていたが、

其処を追い出されて、町に流れ着いてきた。

人けのいない家を探しては泥棒に入っていたが、

米問屋の蔵に目を付けた。

とても人が入れない蔵の湿気取の小さな窓を

破ってコメを盗む事を覚えた。

蔵から米が盗まれている事に

気が付いた米問屋には用心棒が居る。

遂に大人が入れない高い蔵の湿気取の窓から

出入りしている事が突きとめられた。

何と塀を伝い、木を伝い、

細い枝をしならせて其処にたどり着き、

其処から出入りしていた。

後をつけると古い空き家に行きついた。

それは10人程の子供の集団だった。

町の大人達は、どうした物かと話し合ったが、

二人ほど女郎屋に買われた。

一人が小僧として小さな店屋に連れて行かれた。

恐らく今だけで無く将来も唯働きだろう。

10人のうち一番小さい子は4才だった。

その子は養子として子が出来ない夫婦に引き取られた。

残りは寺に一時預かりになった。

寺で小僧として、使えそうな男の子を残して

10才だが、6才位に見える痩せこけた

女郎屋も引き取らなかった子と

6歳の女の子だが3歳位にしか見えない4人を

寺を通して、縁ある神社から

引き取るかどうかの話が来たのだ。

問題をその子達を見に言った

忍者の報告だった。

とても使い物にならない。

何でも腹を下して病気になっているのだろう。

死にかけていると言う表現の方が

近いと言う報告だ。

問題は今いるくノ一の殆どが子が数回下りている。

出来ても三月と持たずに下りる。

唯一子が出来た事のない美津は過去に下腹を刺されて

子が産めないと思われた。

美津は下腹に手裏剣が刺さっていたが

毒が塗られて無かった事と

猿股を下に穿いて居た上に激しい動きで

上に巻いてあったさらしが下におりていた。

其の為、深く刺さらなかった事が幸いした。

そして何とまた精鋭に戻るまでになった。

お美津の運動神経は最強で

飯炊き女として出城(砦)に来た時は13歳だったが

村長と此の村に来て、

一人居たくノ一に鍛えられると「お前は猿だろう」と

言われて笑われた位、身が軽かった。

今は忍び込みを得意として、

複雑な城の中に入って城の構図を覚えて来て

図面にする仕事に駆り出されたり、

用心棒を雇っている様な屋敷から

何かを盗み出す仕事をしている。

気配の消し方も味方でさえお美津が傍に来て

話し掛けないと解らないと言われている。


確かに先々の事を考えると

お涼達より下の子がいないと

それが村の最後という事になる。

しかしお涼達が子が出来る可能性もある。

其れともう既に此の村の目的は果たした。

今以上の村の継続を望むより自然消滅で

良いと言う者もいる。

もともと足軽として来ていた者の中に

この意見が多かった。

確かに当時は自分達の行き場が無かった。

忍者としてのスキルが加われば城に雇われる

可能性が強いと思った。

だが、村に永遠に縛られる側面を考えると

自分達の様な思いをさせて永遠に村に縛るより

村を解散させて良いと言う意見だ。

其々を自由に自分達のスキルを持って

どこかの城に雇われれば結婚もままならぬ

此の環境から若い連中を自由にできると言う

元足軽で着いた来た者達は思った。

其の反面、今と言う時代の中で

死ぬ道しか残されてない行き場の

親が殺されて行き場の無い子供が

巷で干からびた様に死んで居るのも

事実である。

其れを修験者や僧達が最後の手段として

戦って死ぬまで生きれる道として

唯の衛兵殺戮集団の居れる事を

目の前で死なれるよりと押しつけられる

現状だ。

修験者は厳しい道中だ。

寺も小僧としてなら、兎も角

女の子の面倒は見られない。

村人も引き取り先を探し、

次に女郎屋に売り、

最後に寺に連れて行く。

寺が小僧でいっぱいで現実的に

面倒見きれなくなってきて

引き受けられず断れる状態になっていた。


其れよりも此の村に使い物に成らない子の

面倒を見る余裕があるかという事だ。

揉めた理由がその子達を見ればすぐ解った。

第一最初の人数より子供が減っている。

其の寺に引き取る為に着いた時は子供達は

寺から逃げて元の村に戻ったと言う。

其の村に男達が付いた時は一番小さい女の子は

既に野犬に食われていた。

男の子二人は寺の小僧として、

寺が預かると言うので戻そうとしたが

一人だけ、どうしても寺に行くのは

嫌だと細い体で抵抗する。

寺もその子が暴れて面倒見きれないと

言うので連れてきたと言う。

名は八郎と言った。

9歳だが、痩せこけて5歳程度にしか見えない。

想像を絶する子供達の姿に

長(むらおさ)一同声も無かった。

とりあえず、お涼達と一緒に農家小屋に入れられたが、

その晩にさっそく八郎が逃げて

村の仕掛けを鳴らした。

小さい女の子は布団の上に小便もするし、

排便のしつけもできてない様だった。

仕方なしに家畜小屋の隣の開いている所に

藁を引いて蓆を引いて其処に入れられた。

お涼と夕菜が次の朝覗きに行くと

八郎が縛られている。

お涼は言った。

「村に来た以上、村の秘密を知られる訳に行かない。

勝手に出たら殺される。

生きたかったら、一人前の忍者になるしかない。

強い忍者になれば生きてまた村に帰って来られる。

私はこの国一の忍者になって、

70才、80才100才まで生きてやる。

お前も生きて居たかったら、強い忍者に成れ」

しばれた居た手が暴れたのだろう縄の所が

擦り切れて血が出ている。

夕菜は縄をほどいてやった。

アバター
2012/06/16 18:49
レイダ 様

お涼ちゃんそんな事言っていたのに殺されたから、

あの自称大工の身内とした入った八郎に「この国一の忍者に成るんじゃなかったのか」と

言われて泣かれたのです。

八郎に取って其の言葉が生きる為に此の村に残ろうと思ったのですから。
アバター
2012/06/16 18:09
この子供たちは、使い物になるのでしょうか?

お涼ちゃん・・私はこの国一の忍者になって、

70才、80才100才まで生きてやる。

そんなことを言ってたんですね・・・。



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