呪縛の家 その13
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/27 19:52:42
「じゃあ、私帰るね」
一通り掃除がすみ、テーブルに飲み終わったコーヒーカップを置くと舞子は立ち上がった。
「馬鹿か、お前」
浩介が舞子の手首をつかむ。
「この状態で、あの「家」にひとりで行く意味がわからない」
「じゃあ、浩介も行く?」
「え?」
一瞬たじろいだ浩介を見計らったように舞子は彼が掴んだ手首を払った。
「うそよ」
「浩介を巻き込むわけないじゃない」
舞子は力ない笑みを浮かべた。
「浩介は関係ない。あの家にケリをつけたいの。加奈子が帰宅する前に」
「ケリをつけるって?」
「あの「家」を壊す。解体して更地にして売り払う」
舞子の声に迷いはなかった。
「法的な問題はあるのかもしれないけれど、私と加奈子にとって問題はそんなことじゃない」
それは浩介も同感だ。しかし、一人でなぜあの家に戻る必要があるのだ?
「きちんとあの「家」と対峙しなくちゃ、私がこれから生きていけないと思うから」
浩介にはそう説明したが、本心の全てではない。
家が納得しなければー。私は家に呑み込まれ家の一部になるだろう。それはそれで仕方がないのだーそれが舞子の本心だった。
ー壊されるー
加奈の心にダイレクトに響く「加奈子の一部である家」の叫びで加奈子は目を覚ました。
「帰らなきゃ…」
ベッドからガバっと起き上がった加奈子は目を見開いた。夜中?
見張らていたのだろう、すぐに看護師が飛んできた。
「ゆっくり休養して欲しいというのが、家族のご意向です」
顔は笑っていたが反論する余地はない、と看護師は無言で語っていた。家族の意向?お姉ちゃんの意向ということ?お姉ちゃんがそこまで強く出るとは想定外であった。お姉ちゃんの意向だけと考えにくかった。では、義理兄の浩介の入れ知恵か?
精神科に入院する意味をわかったうえで先手をとったつもりだったがー『家族の希望と医師の所見があれば強制入院できる』=閉鎖病棟だー予測を甘く見過ぎた自分に歯ぎしりする。とはいえ、今反抗することは危険であった。
「わかりました」
従順な態度を看護師に示し、再び布団に潜り込む。しかし、加奈子の怒りは心の中ですでに爆発していた。
比較的、ブリッジっぽいところからの再開でよかった。
また少しずつ読ませて戴きます。
加奈子さん。
今度は脳波にも『家』の影響が?
怖~い^^;
ぼうぼうさん、ファイト!!
加奈子は戦う必要あるんだろうか、って思っちゃいます。
家とともにした時間が長い加奈子がむくわれなきゃ悲しすぎる
って思います(あ、お話がどうなるかは、登場人物まかせですwww)
正直、誰が主人公なんでしょう←無責任w
加奈子の心の中の爆発がわかるような気がします。
押さえきれない衝動みたいな・・・・・・怒り・・・・・
戦わなくちゃ・・・
他のページも追々、修正しますね。
看護師なんですね、ご指摘感謝ー読者に頼るてけとー書き手です^^ゞ
とりあえず本文進めなきゃと思いまして。。。(^^;
一週間話が進んでなかったので、まず本編ですよねw
業務連絡:見張られて←見張られたい でしょw
看護師と看護士、どっちが正しいんだろう?訊いてみなきゃ。。。