Nicotto Town



天使のお迎え 11



「紅竜さまは、現在大事なプライベートを過ごしていらっしゃいます。
よほどのご用件でない限り、面会はご無理かと。」

執事に丁寧にスゴまれ、かえるのルッカと
黒猫ガンちゃんは、一瞬だけ、怯んだが、そこは、
百戦錬磨の正義の味方だけあって、ガンちゃんの方が
立ち直りが早かった。

「よほどの用事なんだ!しかも緊急!」

「そうだそうだ、オンナより大事な用なんだっ!」

執事の瞳に、ほんの少し、金色の稲妻が走り・・・。

「なるほど。あんぱん5様のご用事なのですか。
では、少々お待ち下さいませ。」

そう言って、ラウンジの奥へと消えた。

ルッカが、思わずへナッと床に尻餅をついた。

「な・・・なんなんだアイツっ!超能力者か!?」

「あんぱん5って、一体何者なんだ?」

ガンちゃんに助け起こされると、ルッカは思わず、
ウェイターのお盆に手を伸ばし、グラスを掴んで一気のみする。

「オレンジジュースでも飲まなきゃ、やってられね~!!!」

そうルッカが毒づいた瞬間、手に持っていたグラスが、
一瞬にしてどこかへ消えてしまった。

「あの人にご用ですって!?」

グラスが消えたと同時に、ルッカの目の前に、
鋭い視線の、スラリとした巫女が現れた。

「ともかく、いらっしゃい。ご案内するわ。」

巫女に誘われて、ルッカとガンちゃんはラウンジの奥へと
足を踏み入れると・・・。

「おぎゃああああ!あぎゃっっ!あぎゃっっ!!」

「よしよし、イイコね♪泣かないのよ。」

ラウンジの奥、深紅のビロードのゆったりしたソファに身をゆだね、
先ほどのレディ・LUNASが、赤ちゃんをあやしている。

「おお、客人を連れて来たか、つゆくさ先生。」

「あんぱん5の使いともなれば、追い返すわけにも参りませんで、しょ。」

つゆくさ先生と呼ばれた巫女は、ソファに近寄ると、
レディ・LUNASの横に腰掛け、赤ちゃんを覗き込んだ。

「ねえ、あおいちゃん!?」

あおいちゃんと呼ばれた赤ん坊は、大きな黒い瞳を見開くと、
ちょいちょいと小さな手を動かした。

「うわっ・・・っと!!!」

赤ちゃんの手の動きに合わせて、天井のシャンデリアがユラユラ揺れる。
シャンデリアが揺れる度、赤ちゃんはきゃっきゃっと声を上げて笑った。

「紅竜さま、お持ちしました。」

いつのまにやら、執事の星野鉄郎が、手に何やら白いフワフワしたものを
持って、紅竜男爵の前に立った。

「おお!これだ、これ・・・。懐かしいな。」

紅竜男爵は、目を細めながら、ルッカとガンちゃんに向き直った。

「これを、持って行きなさい。コトは足りるハズだ。」

「・・・アンタを連れて来いって言われてる。」

ルッカが男爵を見据えると、吸血鬼は静かに笑った。

「あんぱん5が望んでいるのは、このサンタヒゲだ。
フリマで出回っているシロモノとは似て非なるものでね。」

「・・・あの女性を、どうするつもりだ!?」

黒猫ガンちゃんが、身構える。もし、かどわかそうとでも
しているなら、用事ついでに、救出しなければなるまい。

そんな思惑を読んだのか(?)、紅竜男爵は、楽しそうに
くっくっと笑った。

「そんなに身構えるものじゃ、ありませんわ、よ!?」

巫女先生が、割って入る。

「レディ・LUNASは、あおいちゃんの守り役として、
勤めていただくことになりましたの。」

「見ての通り、あおいはカンの強いコでね、人を選ぶのだよ。」

「自分の、意志、なんだな!?」

執事の瞳に、また金色の閃光が走る。

「男爵は、嘘は申しません。」

「イテテテテテ!!!」

ルッカの腕が、瞬時に執事におさえられる。

「まあまあ、許してやりたまえ。悪気はないのだよ。」

執事が腕を放すと、ルッカは大きく息を吸い込んだ。

「ば、ばかやろー!苦しいじゃねーか!!」

「まあまあ、職務に忠実なゆえの無礼として、流してくれたまえ。」

「俺たち、時間がないんです。本当にこれでいいんですか!?」

特製桜のあんぱんを食べてから、4時間以内に魔法を完成させないと、
振り出しに戻るから早くしろと、あんぱん5から言われているのだ。

紅竜男爵は、ニッコリと断言した。

「大丈夫だ、さあ、早く行きたまえ!」

ルッカが、ガンちゃんにコソっとささやく。

「すんげーアヤシイけど、信じるしかねェか!?」

「おう!」

かくして二人は、カジノを後にしたのだった・・・。

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2009/06/23 15:53
Shall we skate ? (笑)

夢券・・・おめでとうございます。

一休み・・・カフェでもいかが・・・。(笑)

....(# ^^) ゴロニャン
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2009/06/23 14:43
あんぱん5さん♪

ふふふ・・・サンタひげ、どうなるのでしょ~!?
実はまだ何にも思いついてなかったりしてwww!
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2009/06/23 13:02
やっぱり執事さんはカッコイイ❤

ますます目が離せなくなってきましたね~♪
サンタ髭どう変化する??
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2009/06/23 10:55
つゆくささん♪

気に入っていただけて嬉しいです~♪
先日の巫女姿が目に焼き付いていたものでwww!
吸血鬼と巫女の取り合わせも妙なものではありますが(^^;)!!!
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2009/06/23 10:48
わっ、わたくしも登場させていただいて

おもわず、PCの前で噴きだして笑ってしまいました。まじめなのにごめんね

だって、ピッタリはまり役で、し た か ら♪

おつかれさまでした。
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2009/06/23 09:17
ながれぼしさん♪

ふふふ・・・世を忍ばなくても、タウンでは目立たない気もしますが、
そこは、人間心理ってヤツですかね(^^;)!!!

ルッカさん♪

なんだかビーバップになってますねwww!
じゃあ、ルッカを不良にする逆境作っちゃおうかな・・・って、
いつまでたっても話が終わらないじゃないか~www!

ヌマっちさん♪

サンタひげ・・・何に使うんでしょう???
私にもわかりませんwww!

ガンちゃんさん♪

正義の味方は、常に周りの人間に目を光らせていなければ
ならないのです~!!!
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2009/06/23 08:24
怪し~い・・・非常に怪しい・・・^^w
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2009/06/23 00:34
サンタヒゲはどうなるの?とか色々考えちゃって続きが気になりますヾ(;→㉨←)ノ

あらすじとってもありがたかったです。
頭の中整理できました(ó㉨ò)ノ♡
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2009/06/23 00:33
おおお、また活躍しちょるwww
不良になって次回は登場かwかえるのリーゼントwww
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2009/06/23 00:16
ひとりひとり登場人物の名前をよく頭に叩き込んで、
それからコメントを読むとご本人登場!だったりして
面白さ倍増ですね^^
で、菊丸天使(のアバター画像)は下界でくま探しのため、
世を忍ぶ仮の姿なワケですね!?(笑)
アバター
2009/06/22 23:46
蘭ランらんさん♪

できれば・・・あらすじ2を書く必要ないようにしたいのですが、
何せ、作者の言うこと、キャラが聞いてくれないもんで(^^;)!!!
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2009/06/22 23:44
まだまだ先は見えませんね~^^
話が更に膨らんでいく予感(●^o^●)
アバター
2009/06/22 23:05
LUNASさん♪

ふふふ・・・ニコット的にNGシーンは作れませんからwww!

yukinkoさん♪

あまりの展開の長さに、私もびっくりしております(^^;)!
また長くなっちゃったよ!どーなるんだ!!
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2009/06/22 22:44
いつまで続くのか・・・・長編どころか、2冊組??^^
アバター
2009/06/22 22:25
なるほど~
危機的状況ではなかったかぁ
続きが楽しみです!!



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