自作小説 呪縛の家その4
- カテゴリ:自作小説
- 2012/05/14 15:08:51
浩介の母、綾子はあの家から遠ざかるに連れて、気持ちが軽くなって、深呼吸した。あの家で吸った空気をすべて吐き出す感覚が心地よかった。そして、嫁の舞子を説得したいから、つきあってくれという浩介の本心がようやくわかった気がした。あの家に呑み込まれそうな圧迫感は何だろう?浩介はあの圧迫感の中に一人で乗り込んでいけなかったのだろう。
大の大人が親付きで嫁を連れ戻しにいくなんてバカバカしいと最初浩介に頼まれた時は思ったが、今は違う。綾子はぼそりとつぶやいた。
「連れ戻すのはあきらめなさい」
浩介は返事をしなかった。ズボンのポケットの中の離婚届けをぐしゃぐしゃと握りしめがら、敗北感にまみれていた。
いつだったろう?嵐のひどかったある晩、舞子が浩介にもらわれてきた子犬のようにブルブル震えながら
「どんなことがあっても、あの家にだけは私を戻さないでね」
怯えた声で震えながら浩介に抱きついて来たのだ。戻さないでね?そのフレーズの意味がが浩介には全くわからなかった。それどころか!舞子は自らあの家に戻って行ってしまった。
子犬のように懇願した目はすでに失われ、感情をなくした動く人形が自分の前に現れた。あの状態を浩介の知ってる舞子は、恐れていたのだろうか?力づくで家に戻るのを阻止すべきだったのか?しかし。監禁でもしない限り到底無理な話だ。
なのに、あの家に戻った舞子を三人がかりで連れ戻すことが出来なかった。なぜなんだろう?舞子はまるであの家の一部のようだった。はがすことができないほどしっかり根付いていた。。。妹の加奈子が養分を舞子に補給して。。。不気味な光景が浩介の頭を侵食していく。
それをまるで食い止めるかのように父、正治が言った。
「お前の気持ちがどうであろうと、無理だ」
浩介は振り返った。すでに遠く小さく見える程度だった屋敷が、いきなり歪みながら膨張して浩介に高笑いをしながら迫ってきた。
(やめろっ)
こころの中で叫びながら、襲ってくる屋敷を手で激しく払いのけた。道の真ん中で突如暴れ始めた息子に綾子は恐怖を覚え、後ずさりをした。父の正治が浩介を押さえつけ怒鳴った。
「しっかりしろ!お前まであの家に呑まれてどうするんだっ!」
言って、三人は、はっとする、否定できぬ恐怖を三人ともあの家に感じ取っていたということに。
数日後。舞子が署名し置いてきた離婚届けが、浩介の署名が書き込まれしわくちゃになって、舞子のもとに郵送されてきた。開封したのは加奈子だった。嬉しそうに
「おねえちゃん、これは私が役所に届けておくわ」
目の前の最後の扉が閉じたのを、舞子は感じた。そのまま、ずるずるとベッドに向かう。眠りたかった。そして、何事もなかったかのように再び舞子は眠りについた。
いきつくところが気になります
ちょっと、個々にお礼コメできないほど、今回の話は
書くのだけで精いっぱいです(^^;。。。
話の展開などで変な所、わかりづらい所、話自体のご批判
など、たくさん待ってます^^。
個々にお返事できないとは思いますが、ご指摘の修正などは
やっていきたいと思いますm(_ _)m
逃れようとしても逃れられない因果・・・怖さを抱かせるこの作品にはこの言葉が一番似合っているように感じました。
心情描写に秀でた作品です!(^0^)!感心しました!
一番の大元は家なのかな。
そこに暮らしたから、祖母も舞子も加奈子も狂っていってしまうのかな。
それでも、どこかに出口はあると信じたいな。
うん。確かにこれは、書いていても大変そうです^^;
頑張って下さいね。
ハムさん、満点ふたつ、相当嬉しいんですねwww
るうさん、自称女神さんかなぁ???
自慢ですケド、自慢と思わないでください(・_・;)
すすすすすすす ててててててて ききききききき
す て き
す す て ききききききき
すす て き
す て き
す て きききき
↑
これね、自作だよ^^簡単ですよぉ☆
コピーして、使ってもいいですよ(^-^)
自作小説ッ!? 頑張ってますねぇ(^u^)
ファイト(^◇^)