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お涼の活躍25香魚姫脱出(忍者物語)45


コーデは香魚姫の農家の娘に扮装した姿です。
手に持って居るのは柳桑折のつもりです。
口は手拭いで隠して居ます。
頭も日本手ぬぐいをかぶって居ます。
下は作務衣の下を履いてます。
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次の日佳世の所に八重が来て
お涼さんに字源領の着物問屋へ着物を持って行く様にと
頼まれたと縫い上げた着物を取りに来た。

道を知って居る男が案内してくれると言うので
約束通り持って行くと言う。

やがて佳代から預かった子供晴れ着を入れた風呂敷を

担いだ二人の女と一人の男が居た関所に来た。

顔にあざがあると言って女が手拭いで口を隠している。

うつむき加減で後ろの方にそれでも大きな柳桑折と
風呂敷包を持って居た。

お涼さんに頼まれていた佳代の作った子供晴れ着を

字源領の着物問屋に売りに行くと一人の女が言った。

ついている男もお涼さんに頼まれてたと言う。

見慣れない男だが、お涼に男山で助けれた。

お涼の役に立つのならと荷物持ちを引き受けたと言う。

3人ともお涼さんの役に立ちたくてと言う。

一つの荷物を調べていつもの
子供の晴れ着が入っているのを見ると

お涼がこれを担ぎながら此処を通っていた時の姿。

そして殺される二日前に訪ねてきて
出された茶をすすりながら、
近くで買った笹団子をみんなで食べて、

男山に逃げた百姓たちと一緒に岩を掘って、

落とした時の事、
岩がどういう風に転がって行ってと

手で説明しながら、
そうすると味方が攻め返して、

上でやったやったと大騒ぎと
足をばたつかせて喜んだ様子を

話していたのを思い出した。

その中の関所の数人は

偶然あの時立原との間の関所の下で闘っていて、

その時の闘いの話をすると止まらなかった。


其処では戦友だった。


帰り際に今度は荷物が多くて一人じゃ持ちきれんと

そこで人を頼んだが、

一人は可哀そうに2年前のあの時に
家が燃やされて顔に

酷いやけどを負ってな其の事には
触れんといてやって欲しいと言ったのを思い出した。

あの時言っていた女が顔を隠した女かと
関所の役人は思った。

「川に身を投げる所を止めた事もあった。
むごい話だ、むごい話だ・・・・。」
と、手拭いで目をふさいだ。


2年前の立原軍のやった事は余りにもひど過ぎた。

「生きていただけでも良かったのだと言ってやれ」と
関所の役人は言った。

其れを聞いてお涼はまた深く頭を下げた。

その後、袂で涙を拭いて居る様にも見えた。

役人達はあの時の惨劇を思い出して、

黙って去っていくお涼を見つめて自分達も

あの時の見た惨状を思い出していた。



お涼の名前が聞いたのか、

これほどすんなりと通れることは珍しかった。

どこの関所でも、住んでいた場所と名前は聞かれて、

帳簿と照らし合わせる。

其れも無かった。

近隣の人においしいタケノコご飯を食べさすと言って、

男山にタケノコを取りに行って

敵の忍者に殺された事が伝わっていて、

「かわいそうにな」と言って開きかけた帳簿を閉じた。

見ないでもお涼の住所も名前も知っていた。

死んでもお涼は仕事をするのだと

ついてきた忍者は思った。

香魚姫達は無事に関所を抜けて、
迎えの侍達の所へ連れてこられた。

其処には先についていた健三郎が
俯いて下をにらんでいた。

其の後は馬と籠で移動した。

健三郎は殆ど口を利かなかった。

八重は香魚姫様を気遣いながら、
見えない所では袂で目を覆ってじっとしていた。

侍達だけが香魚姫の無事を喜んで
言葉が弾んだ。

少し小高い峰で遥か遠くに男山の上が見える所で
香魚姫が馬を止めさせた。

そして鼻緒を持って居る侍に男山の方に馬を向かせた。

其れから男山の方に手を合わせた。

八重も手を合わせると我慢が出来ずに唇を震わせた。

健三郎もそれに従って手を合わせたが、
目をつぶらず睨んでいる様だった。

そして、意を決した様に言った。

「姫様、長らくお世話になりました。

私は此処でお暇を戴きます。」

考えて見れば、健三郎は字源領の人間では無い。

正にあの城で足軽をしていた。

たまたま、その後は香魚姫が幽閉されていた屋敷の

警護に回されただけである。

自分がこのまま字源領の侍達と行動を共にする理由は無い。

香魚姫を無事に引き渡せばそれで自分の仕事は済むのである。

「なりませぬ」と香魚姫の冷たい声が響いた。

「貴方が私から離れたら貴方は殺されるでしょう。

そう言う人が此処に居ます。

貴方は私の目の届く所に居なさい。」

香魚姫はついてきた忍者を睨んで言った。

「この二人は私の手の者です。

この二人に手を出すと言う事は

私に刃を向けたと言う事になります。

そう心得なさい。」


忍者が軽く片足をついて
頭を下げた。

だが、彼の受けた仕事は

健三郎が途中で自国の領土に戻るとなった時は、

勿論切る事になって居た。

健三郎は母が居る故郷を捨てさせられた。

何時戻れるのかも解らなかった。

アバター
2012/05/09 23:10
確かに香魚姫が生きて居る事が解れば大変な事になります。

これ程犠牲が少なく他国のしかも大変魅力な領土が手に入るならと

思います。

こうやって、小さな領土が大きくなって、其の後しばらくして歴史に名を残す戦国大名が

出来て行ったのだと思います。

確かにもしばれたら大変な事になる事は解ります。

でも、やりきれません。
アバター
2012/05/09 22:11
ここでお涼ちゃんが関所で顔見知りになった意味が!

でもあの時は自分が死ぬなんて思ってなかったのでしょうか?

忍者・・・気になりますね



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