Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


黄昏という狭間


 今日は、ひときわおおきい赤い夕陽が落ちたようなきがした。
 泉鏡花の言葉をネットでみかけた。
 『世間にたそがれの味を、ほんたうに解して居る人は幾人あるでせうか。多くの人はたそがれと夕ぐれを、ごつちやにして居るやうに思ひます。夕ぐれと云うと、夜の色、暗の色と云ふ感じが主になつて居る。しかし、たそがれは、夜の色ではない、暗の色でもない。と云つて、昼の光、光明の感じばかりでもない。昼から夜に入る刹那の世界、光から暗へ入る刹那の境、そこにたそがれの世界があるのではありませんか。(中略)世界の人は、夜と昼、光と暗との外に世界のないやうに思つて居るのは、大きな間違ひだと思ひます。夕ぐれとか、朝とか云ふ両極に近い感じの外に、たしかに、一種微妙な中間の世界があるとは、私の信仰です。』 (泉鏡花:「たそがれの味」・明治41年3月)
 だから私は黄昏がすきだったのだと思った。それは狭間の世界、境界だ。現実と非現実。物語世界と現実世界。空想と現実。非日常と日常。境にあるそれは、どちらも含んで、そして、それでも現実にもともかく見えるものなのだ。だからこそ、それはあれほどまでにうつくしい…。わたしはどんなに夕暮れがすきだったろう? それはわたしがいようとする世界だったのだ。
 そして、もちろん、だから泉鏡花にひかれるのだ。

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2012/05/08 18:24
喧騒から静寂へうつろう夕暮れ
静寂から息を吹き返す朝焼け
空の色は同じにみえて
人に与える印象は真逆
どちらでもいえることは
美しさは一瞬だということか
…なんてなw(´・ω・`)♪



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