Nicotto Town



お涼の活躍13(忍者物語)33箸休め1


本格的な建て増しの依頼が其の女の人から来た。


新しい部屋を作って其処を女の人の部屋にして

今の和室を八重の部屋、
八重の部屋を健三郎の部屋にするという。


冬のこの時期に何日も壁を壊して
外の冷たい風を入れたままにできない。

一日で風の入らない状態にしなければならない。

そうなると与一と正太だけではできない。


健三郎と良太、丁作にも手伝ってもらい、
一日で壁を壊して基本的な屋根と壁は作り終える事にした。




良太と丁作は大工の仕事はした事が無いが、

小屋、修理程度出来るのが農家では当たり前の事である。



壁をぶち抜いたり、柱を立てるのを手伝ったり、

事前に作ってあった屋根を乗せたりと

1日で基本的な隠れる壁を貼り付けたりとやっていた。


お涼も中の降った誇りを拭き取ったり、

板の間に木くずがたまると
土間に吐き出したりしていた。

既に町には白米が売り出されていて、
八重は米を炊いて

男達への昼職のおにぎりを作る所であった。


いまだに名前の解らない其の女の人も
たすき掛けをして
おにぎり作りに加っていた。

お涼も手を洗って、それに加わった。


外の男達の会話が中の女達には丸聞こえであった。

既に4人は名前で呼び合っていた。

農家の一人の男の良太が言った。


「健三郎、お前、女郎を買った事が在るか?」

「無い」即答である。「正太は?」
しばらく沈黙の後、「ある」

「俺達、なくてよ~ぉ、丁作と話していたんだが、

此の賃金が入ったら、女郎屋に行こうと思っているんだ」


女達は顔を見合わせた。


「健三郎、お前一緒に行かないか?」


返事が無い。


丁作が「正太、お前連れて行ってくれよ。

俺達初めてなんだよ。」


「俺はだめだよ、佳代に殺されるよ」で

女達は吹き出しそうになるのをこらえた。


お涼が口に手を当てて、声を出しちゃだめの合図をした
笑いをこらえるのを抑えるためにうつむきながら

3人の女はおにぎりを握った。


「もとはと言えは、お前の嫁のせいだぞ」

「そうだ、そうだ」と良太が言う。


佳代の事?とお涼は耳を傍立てた。


お前の嫁がが、子供ほったらかして、
木に登ってあん時見ていただろう。



其の話は三人から、正太が聞いてきて
佳代をしかりつけているので知っていた。


佳代は正太が無事だと解るとすぐに下りたと言った。


「あん時、枝だと枝の間をまたいで下りていたからよ。

正太の嫁のあそこが見えてよ。

それ以来、夢に出てきて眠れんのよ。

めえつぶれば、出て来るしよ。」

「俺がふりむいた時は下りたから、
そんなに見なかったけど」と健三郎が
上ずった声で言い訳をした。

「俺だって、ふりむいた時だから、
下りる時でちらっと見えただけだよ」
丁作も怒ったように言う。

「だから、あん時の崖下を見て、
居ないと言う為にふりむいた時だよ」と良太が言う。

健三郎と良太と丁作の三人が崖の下を見て
もう登ってくる侍が居ないかを確かめて
後ろに刀をちらつかせる役の正太に知らせた。

其の振り返った時に
佳代が木から枝を伝って
下りてくる時にまたが広がって
裾の中が見えたのだろう。

其の話を薪を売りに言っていた時に
実はと誰かが打ち明けて、
俺も見た、俺も見たとなったらしい。

それ以来、悶々として眠れない
真剣にどうしたものかと
悩んで話あう日が続いて、

結果、女郎屋に行こうとなったらしい。


女達は其の真剣な話し合いの結論に
腹を抱えて笑いたいのを堪えていた。


八重があわてて、土間に下りると
土間から顔を出さなが肩が揺れている。

其の女の人も両袖で顔を隠して肩が揺れている。

「だから、正太、俺達を女郎屋に連れて行ってくれよ」

「そんな事、お佳代にばれたら、
殺されるって言っているだろう!」

「あいつは鬼より怖いんだぞ!」の所でもう限界だ。


3人の女が声を出して笑い出した。


八重は土間を張って笑っている。

其の女の人も声を出して袂で口をかくしているが、
涙を出して笑っている。

お涼も横っ腹を抱えがら、
引きつり笑いをしている。

が、もうだめだ、声を出して笑い出した。

情けないやら、おかしいやら、
腰が砕けるやらで、へたり込んだ。

与一の「いい加減にしろ!」の怒鳴り声で
男達の声が止まった。

お昼が終わり、男達は与一に怒鳴られてから、
黙々と仕事をしている。

後の仕事は内装と外装と屋根ふきで
本格的な大工の仕事になる。

農家の男達と健三郎が手伝うのはこれまでだ。


与一が今日の給金を三人に渡した。




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