Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


夢であいましょう 2


 明け方の夢。恋愛をしていた。肩を抱かれながら階段を上っている。私は以前彼と夢の中で会っていた。夢の中で再会したのだ。
 「夢に出会いさえすれば行ける(…)あのなかの何ひとつ現実には起きはしなかったし、あのなかの何ひとつ今後も起きなくても」
 (ポール・オースター『ティンブクトゥ』)

 夢の男と夢の中で再会した。階段を肩を寄せ合いながら歩いていたが、一か所、彼は難なく足をかけたのだが、私にはどうしても登れない階段があり、そのことを寂しく感じた。
 夢の男の生い立ちは私に似ていた。ああ、この街のこの場所も前に夢で訪れた場所だ。
 私は夢の中で別の生を生き続けているのだ。




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