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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(45)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|三 (2)

けれども是れだけではどうも不滿足である。絲の切れた紙鳶のやうに、何だかふわ/\として落ち着かぬ。色々と勿體はつけて見るが、物足らぬ。そこで更に切れた絲をつないで、今度は衣食住などの上つらなものに結びつけず、其の底にある生命の杭にしかと卷きつけやうとする。是れが美を再び生に歸嫁せしめんとする思想に外ならぬ。



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*註1:けれども是れだけでは
原本では前ページの文末より改行なしでつづいている。

*註2:何だかふわ/\として
「/\」は踊り字・くの字点。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/odoriji.jpg

*註3:更に
「更」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sara.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1

(2014/09/04/初校)




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