Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


北斎の最後の句

「人魂で行く気散じや夏野原」。北斎辞世の句の軽やかさが、インクのシミのように拡がる。絶筆に近い《富士越龍》は、百歳過ぎ迄生き、絵を貫きたいと書いた彼と、人魂で遊ぶ彼を二重写しにみせる。富士に心残りのようにまきつく黒い雲と、その先頭を行く龍のどこか可笑しみ、そして崇高。




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