「春石」
- カテゴリ:30代以上
- 2012/03/27 10:32:21
「春石」って知っていますか?
桜の花の精が眠っているとされる、綺麗な桜色の石です。
幸せを呼ぶとも、願いを叶えてくれる、とも言われています。
春休み
吹く風に冬の名残を感じさせる公園のベンチに座り、ユイちゃんとマミちゃんはアイスクリームを食べていました。
空は穏やかに晴れ、二人の足下に、淡い影を落としています。
「アイス美味しいね~、マミちゃん」
「そお?寒いだけじゃん。まあ、ユイは食べ物なら何だって良いんだろうけど」
「そんなことないよ~。それに、アイス食べよう、っていったのマミちゃんじゃない」
ユイちゃんが抗議するように手を振り上げた時、半分ほど残ったアイスが、ぽろりと地面に落ちました。
「あっ」
「あっ」
影の上に落ちたアイスを慌てて拾おうとするユイちゃんですが、もう砂まみれで、食べられそうもありません。
「ふぇ、アイス…」
「そんなの拾うんじゃないっ。しょうが無いな~、ほら、わたしのをあげるから。そんなことくらいで泣くんじゃないよ」
「うん、ありがと…」
ほとんど手つかずのアイスを受け取るユイちゃんですが、まだ名残惜しそうに自分の影の中のアイスを見つめています。
「ユイは影も食いしん坊なんだね。今度は影にとられるんじゃないよ」
「分かってるよ~。…あれ?なんだろう」
何かを見つけたユイちゃん。
アイスを落とさないように、そっとベンチの下から拾い上げます。
「わ~、きれい」
それは、春の日差しを受けてキラキラと光る小さな桜色の石でした。
「何だろうこれ」
「宝石かな~」
「二人の宝物にしようよ」
「願い事とか、かなうのかな~」
何かで、そんなお話を聞いたことがあったのを思い出して、ユイちゃんが言います。
「やってみよう」
小さな石を四つの手で包み、目を閉じて小さな声で願い事を言う二人。
「ねえ、ユイは何をお願いした?」
「え~とね~。桜餅が食べたいな~、って」
「これが桜色だから?ほんっとにユイは食いしん坊だね~」
少しあきれたようにマミちゃんが言います。
「だって美味しそうだったんだもん。だったら、マミちゃんは何をお願いしたの?」
少しふてくされてユイちゃんが言います。
「わたしはね~。3年生になっても同じクラスになれますようにって…」
「あ…」
二人は四月から3年生。
クラス替えがあります。
そんなことはすっかり忘れていたユイちゃん
「わたしもそれにしよう」
慌てて言います。
「だ~め。願い事は一人一つずつだよ。これで同じクラスになれなかったら、ユイのせいね。一人で桜餅でも食べてれば~」
からかうようにマミちゃんが言います。
「そんな~。石さんお願い。マミちゃんのお願いをかなえてあげてっ」
「じゃあ、桜餅はわたしが一人で食べようかな。あはは」
「ひどいよ~」
仲良くはしゃぐ二人の上では、桜のつぼみが、たくさんの願い事を湛えて、少しずつ膨らみ始めています。
春はもうすぐそこ
おしまい
ご想像にお任せします(#^.^#)
…と言いたいところですが、丸わかりですよね(笑
お話の中では2年生になっていますが、実際は4年生頃の出来事だったと思います。
だから、泣いてはいません(笑
泣き虫なのは否定しませんが…
あはは~。
今は大きいです。
いろいろと )^o^(
さらに小さい時は、よくお墓で遊んだものです。
墓石ではない、昔ながらのお墓でした。
職場の入り口の桜も、まだまだ小さなつぼみでした。
今年も開花は遅いかもしれませんね(#^.^#)
コメントありがとうございます。
時々こんなお話を載せています。
よろしかったらまた見に来てくださいね。
…でも、普段のブログはとってもくだらないので、ご注意くださいませ(#^.^#)
ゆさんは どっち??
やっぱり 食いしん坊のユイちゃん ??
でも 泣き虫だったのかなぁ??www
小さい ゆさんを 想像・・・ 今は大きい って 言ってないからねwww
今年はまだ寒いためか、近所の桜はまったく咲いていないです。
つぼみは膨らんでいるようですが。
あと2週間ぐらいかかりそうです。
広場からです♪
絵本作家さんみたいな ステキなブログですねぇ~♡
このお話が 昔話なら
アイスがお団子で 願い事が 一人が大金持ち… 一人がみんなの健康祈願…
と いった感じになりますね 笑w
僕も 今 何かにすがりたい気分でして>< “春石” 落ちてないかなぁ~… ~~〝o〟~~
きれいにまとまりませんでした。
尚、「春石」というのは、わたしの創作です(#^.^#)