ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
- カテゴリ:映画
- 2012/03/24 22:24:14
今年12作目の映画館鑑賞
アメリカのジョナサン・サフラン・フォアによる同名小説をもとにした映画。
舞台は、9.11同時多発テロから1年後のニューヨーク。
語り手は、テロで父親を失った少年オスカー。
ある日、父のクローゼットで“Black”と書かれた封筒に入った鍵を見つけたオスカーは、
その鍵が合うものを求めて、NY5区にまたがる探索を開始します。
「9.11」の映画ではありません。
オスカーの探索の小さな冒険が淡々と描かれた物語は、作為的で象徴的です。
悲劇の受容と再生と少年の成長が、普遍的な寓話になっていると思います。
それぞれの傷を抱え生きるオスカーを取り巻く大人たちが、とても切なく、やさしさに満ちていました。
大人たちの事情も、「9.11」についても、最小限しか説明されません。
繊細な感受性と想像力に富み、アスペルガー症候群の診断は保留されているものの、
外界からの刺激に非常に敏感で、いくつもの恐怖症を抱える幼い少年が、
一人きりで探索を開始するのに、どれほどの勇気が必要だったのか。
それを距離を置いたまま見守らなければならない母親に、どれほどの強さが要求されるのか。
映画を観ながら、何度も泣きそうになって、最後には泣いてしまいましたが、
鑑賞直後は、なんだかすっきりしない気分で、消化する時間が必要な映画でした。
少し時間をおいた後の気分は、ショーン・タンの絵本の読後感に似ています。
いつもは悪役のイメージが強いマックス・フォン・シドー演じるオスカーの探索を手伝う老人が、
とても魅力的で、好きでした。
ジョナサン・サフラン・フォアの小説は未読ですが、いつか読みたいです。
★★★★【Extremely Loud & Incredibly Close】2011アメリカ
>せきとうサマ たしかに~w
ちなみに、映画を観るとなんとなく分かる、この映画の要約だったりします。
いびきしか思いつきません^^;