3月自作/星空「星になった彼ら」
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/15 16:51:26
鳥を飼ってる人は鳥が死ぬー「落鳥」という言葉を避ける人が多い。「星になる」-そう呼んで寂しさを克服するのだ。
私は、たくさんの鳥を見送った。悔やまれる別ればかりだ。私は「星になる」という言葉より「旅立つ」と表現することが多い。共に過ごしてくれた時間ーすなわち私の拘束から、彼らの魂が解き放つことだと思うから。解き放たれた魂が星になろうが風になろうが、かれらの自由だと、そう思うから。
仕事で遅くなった夜道、寒さで白い息をもうもうとさせながら、疲れたからだで帰宅の途中、重い足が動かなくなった。そのまま空を見上げると、冬の透き通った空気の向こうの夜空にキラキラ星が輝いていた。まるで、かっての私の相棒たちの瞳のように、その星々は優しく輝いていた。
重いながら足が再び動き出す。今の相棒たちの待ってる家を目指して。
(おわり)
短編小説にもなってない気がします(汗)
「星になる」美しい表現ですね。
夜の空に輝く瞳のような星たちに、背中を押してもらう。
かつて見送った瞳たちに力をもらう。
それぞれの子たちとの関係が想像されて、優しい作品でした。
魂もさぞ上手に天に昇っていけるのでしょう。
鳥って天に昇ってゆくものを導く、そんなイメージが強くて、
神聖な生き物に思えます。
鳥でもチャーチルの飼っていたのは100年以上とか
いまだに飼い主を真似てヒトラーの悪口をいっているといいます
私が飼っていた雄の老文鳥は亡くなる直前に
白いスーツを着た老紳士の姿となり
「くれない芝」の園というところにいると伝えました
お別れは辛いですよね。
10年以上たっても、何かの拍子にチクリと胸が痛みます。
相棒たちが優しく輝く星空が、足を動かす力になる…
じんわり優しい気持ちになります