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■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味(38)

■近代文藝之研究|研究|美學と生の興味|下 生の増進と美|一 (6)

或時は最上善即ち美なりと見、或時は神即ち美なりと見、或時は眞理即ち美なりと見、或時は科學即ち美なりと見る。要するに皆功利に美を近づけんとするものに外ならぬ。吾人は此の傾向の底に、否みがたい人間の本面目が潜んでゐると信ずる。一切の價値を生に還沒して、こゝに最後最牢の極印を打たんとするものと考へる。すなはち以上の理由からして美と生との分離が疑はしくなる。



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*註1:或時は最上善即ち
原本ではこの文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。

*註2:神
「神」の旧字体。「示」+「申」。

*註3:要するに
「要」の俗字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/you.jpg

*註4:近づけんと
「近」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。

*註5:本面目が潜んでゐる
原本では「本面目か潜んでゐる」とあるが、誤植と思われるので「か」を「が」とした。

*註6:還沒
「還」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。

*註7:分離
「分」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/hun_wakeru.jpg

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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1

(2014/08/07/初校)




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