【小説】止まった時空【後編】
- カテゴリ:自作小説
- 2012/02/28 22:30:40
小百合が死んだ町を離れてから、既に5年という短いようで長い月日が経っていた。
もう既に成人してる俺だったが、未だに時は止まったまま。
未だに16歳のままであった。
もう、俺を動かせる人は誰一人として居なかった。
そんな時、俺の家に誰か訪ねてきたのだ。
この家のチャイムが鳴るのは実に久しぶりだったからとても驚いた。
どうやら世間でも俺は死人扱いだったしな。
ドアを開けるとそこには一人の少女と、首輪の鈴がやけに大きく見える黒猫が居た。
白銀の髪の毛に澄んだ青い瞳、そして透き通るような綺麗な肌。真っ白なワンピース。
その子は触れてしまったら壊れてしまうような繊細さを容姿だけで醸しだしていたのだ。
「一条和也君、ですか?」
少女は子供っぽい容姿の割にはとても大人びた声をしていた。
何処と無く小百合に似ていた──ような気がした。
・・・そんなわけないけどな。
「え、あ、はい・・・」
言った後に気づいた。
・・・もっとまともな返答は無かったのか、俺。
でもその少女のあまりの美しさに見惚れていて、上手く言葉が出てこなかったのだ。
「遅くなってすみません。私、モモと申します。こっちの黒猫はあずき。えーと・・・如月小百合さんの事は覚えていますか?」
「・・・小百合の事は忘れた日なんか一度もありませんよ・・・」
「そうですか。良かった!」
少女──モモはそう言うとニコっと笑い
「小百合さんのお手紙を預かっているんです。・・・話が長くなってしまうのですが・・・よろしいでしょうか?」
「・・・分かった。じゃあ俺の家で話すか。」
俺は自分の家を指差した。
俺はキッチンで紅茶を淹れていた。
キッチンに立つのは何年ぶりだろうか・・・。
チラッとリビングのソファに座っているモモに目をやる。
モモは黒猫を抱え、喉を撫でていた。黒猫はとても気持ち良さそうにしている。
突如、薬缶からお湯があふれ出した。・・・沸騰させすぎてしまったらしい。
「何やってんだ、俺は。」聞こえないようにボソっと呟いて紅茶を淹れる。
そのままリビングの方へ紅茶を持っていき、モモの手前のテーブルに置く。
モモは「ありがと」と小さい声で言ってくれた。
「・・・それで・・・話って・・・」
俺は思い切って切り出すことにしてみた。
「まず、遅れてしまってすみません。和也君の事、ずっと探してたんですが・・・まさか、生と死の狭間の世界を彷徨ってるとは思いませんでした。それで探すのに時間がかかってしまって・・・すみません。」
「いや、それは別にいいんだけど・・・・」
「これは、非常に言いにくいことなんですが・・・・」
モモはここで言葉を詰まらせる。
「・・・何ですか?」
「如月小百合さんは、私が貴方から奪いました。」
・・・・・
言葉が出てこなかった。
「私の正式な名前は死神100‐100号。なんです。と、言っても感情があるので気味悪がられていますが・・・死神ですから、貴方達の大切なものを奪う仕事をしています。それで、小百合さんを奪ったのは・・・私なんです。」
死神?大切なものを奪う仕事?
「えと・・・感情がある、って事は普通の死神は感情が無いのか?」
「・・・はい。何で皆あんな残酷なことが出来るのか・・・不思議で仕方ないのです。」
「だったら、小百合は幸せだったと思う。感情のある死神に送り出されたんだろ?それって凄い幸せなことだと思うよ?」
死神とかそんな話、信じられなかった。でも、不思議とそんな感じがしたんだ。
「では、この手紙を・・・・・」
モモは、どこからか手紙を取り出して、俺に差し出した。
俺はそれを受け取り、手紙を読み始める。
『和也へ。
元気にしていますか?和也のことだから私が居ないと放心状態になってるんじゃないかな?まあ、そんな和也も大好きです。
私は和也と会えてとても幸せだった。でも、こんな体で早死にしか運命はない。それでも、私は生きていきたい。──だから
だから、和也は生きて下さい。
私は和也の心の中でしか、生きられない。
和也が生きてないと生きられないの。
・・・お願い、自分で時を止めないで。
自分で時を止めたら、私の時も止まってしまう。
直前にこんな我侭ごめんなさい。だけど許してね。
最後に
この16年間、短い人生だったけど、とても楽しかったです。和也、有難う。
小百合』
文章を読み終えた後、最初に出てきたのは──俺の大粒の涙。
拭っても拭っても大粒の涙は止まらなかった。
ああ、小百合。有難う。
君のお陰で俺の時は再び動き始めた。
君で止まって、君で動いたんだ。
こんなに幸せなことはない。
「有難う・・・っ御座います・・・・っ」
俺はモモに感謝した。
あずきの鈴がチリリンと鳴る。そうか、あの葬儀の鈴の音も・・・
それから、数日後。
「行って来ます」
俺は小百合の写真に呼びかける。
俺は見事就職が決まった。
俺の時は再び動き始めたばかりだ──。
グダグダすぎてワロスww


























私を信じてって言っても無理
かな?信じられない?
私ならさくらの力になれると思ったんだけど
やっぱり力不足なのかな?
それともまた私がさくらを傷つけちゃった?
なにかしちゃった?悲しませるようなことしちゃったのかな・・・?
もしそうなら謝ります。ゴメンね;
何か悩みがあるなら遠慮しないで言って欲しい。
せめてもの償いだから力になりたいから
お願いします。私に心を開いてください。
閉ざしたりしないで。お願いだから・・・。