あれは、数年前。南の島で、チェックアップをうけたのですね。
そしたら、右の乳房にしこりを発見されてしまいました。
医者がすぐ切りましょうと言うので、「嫌です、日本で手術します！」
「いつ帰るの？」　「う～ん、来年」　「それでは、手遅れになるかもしれないわ・・・」
島での手術は不安でしたが、仕方なく従いました。

手術なんて、子供の時の「かまいたち」以来でした。
手術が済んで、３時間後に目が覚めたら、担当医が小瓶を差し出しました。
「なに、これ？」　見た事のあるブランドのジャムの空き瓶に、なにか入っています。
「ああ、これが、君の腫瘍ね、細胞検査に出すんだよ」
ゲェ～。私の肉が、ジャムの空き瓶にプカプカしている！　指の頭位のが３個も・・・
あ～～、ジャムの空き瓶ですよ！　

その日は、日帰りで帰りました。
翌々日に、病院に消毒に戻るのに、交通手段が無くなっている。
アテにしていた車の運転手と喧嘩したから、置いていかれた・・・　バスは辛い。
ちぇ、仕方ないので、自分で運転して行きました。
私の車は、マニュアルなんです。おまけに、コラム。
病院までの６５キロ。半分は舗装されていないガッタガタ山道なんです。
左ハンドル、手術した右手で、ギアチェンジしながら走りました。

「アラッ～、何やってるのアナタ！　傷口開いちゃったじゃない～」　と、叫ぶ女医。
「え、で、でも、痛くなかったもん」
「もう、傷口ズッタズタよ。アナタのボーイフレンドが可哀想だわぁ」
（ＢＦ・・・？　おっぱいって、その為にあるんじゃないでしょう・・・　センセっ！）

罰として、毎日消毒に通うように、言われました。（罰じゃないけど・・・）
毎日、町に出かける理由づけができたので、３週間通いました。
１ヵ月後に、良性という結果が届き、安心しました。

幸い、傷もとても小さくなって、今ではあまり目立ちません。
でも、おっぱいって、誰のためにあるんだろう・・・　　　　　　わかってるって。