「おーい、銀ボー！」
「なあに？ 金ボーヤ？」

「出来たよー、すごろく！」
「すごろく？」

「今日、赤鬼さんが来るだろ？ そしたら、みんなでやろうと思って、作ってみたの！」
「昨日から、なにやら、こん詰めたことをしてると思ったら、すごろくを作ってたの？」

「そうだよ！ その名も、節分すごろく！」
「え？節分すごろく？ 節分にちなんだことをするの？ 豆まきとか？」

「豆まきはしないけど、ゴールが鬼ヶ島なの！」
「えっ！ お、鬼ヶ島？ ま、まさか、鬼退治に行くわけじゃないよね？」

「まさか！ 赤鬼さんと一緒にやるのに、ゴールで鬼退治はないよね！」
「それもそうだね。 じゃあ、何しに行くの？」

「観光に行くの！ 今は、円高だし、季節もちょうどいいらしいよ」
「え！そうなの？ じゃあ、鬼瓦かりんとうと、鬼の爪サブレを買って帰ろう！」

「でもね、ゴールの鬼ヶ島にたどり着く前に、数々の困難が待ち受けてるの！」
「え？ どんな？」

「大きな岩が、後ろから転がってきたり…」
「ま、まるで、インディ･ジョーンズ！」

「岩が転がってきて、３進む！」
「え？ ３進む？ 普通は、１回休みとかなんじゃないの？」

「え！ 休んでたら、つぶされちゃうよ！ つぶされてゲームオーバー！」
「ひゃー、意外に難しいね。 この、すごろく！」

「だろ？ だから、心強い旅の仲間も連れて行けるよ！」
「え！ 魔術師とか、戦士とか？」

「え？ 人間じゃないよ？ 動物だよ！ まずは、犬が仲間になるよ。 犬といっても、ドーベルマンだけど」
「おぉ！ かなり、心強いねぇ！」

「しかも、サイコロを振って、出た目の数だけ仲間にできるよ！」
「え！ ６が出れば、６匹も仲間にできるの？」

「そうだよ。 次に、猿が仲間になるよ。 小さくてかわいい猿だけど」
「猿も、サイコロの目の数だけ仲間にできるの？」

「うん、そうだよ！ でもね、仲間が多くなればなるほど食費がかさんで、破産しちゃうの！」
「えーっ！ ま、まるで、人生ゲーム！」

「さらに、仲間が…」
「犬、猿ときたら、次はキジでしょ？」

「え？ 違うよ？ 七面鳥だよ？」
「え？ なんで？」

「だって、食料に困ったら、食べられるじゃん？」
「た、食べないしー！ 旅の仲間を食べたりしないしー！」


「一寸法師と、モグラたたき対決もするよ！ しかも、ハンマーの代わりに、打ち出の小づちを使うの！」
「えー！ うまくやらないと、モグラが大きくなっちゃうよねぇ？」

「でも、運がよければ、小判がざくざく出てくるよ！」
「そして、大富豪になれるという？ って、違うゲームになってるし！」

「金太郎と、相撲対決もするよ！」
「すごろくなのに、どうやるの？」

「実際に、となりの人と相撲を取ってもらいます！」
「えー！ 赤鬼さんのとなりに座った人は、めちゃめちゃ不利じゃん！」

（スズメのお宿とか、竜宮城へ行くエピソードも考えましたが、文字数の都合で省略します ＾＾；）

「最後に、桃太郎と対決をします！ 勝てないと、鬼ヶ島にゴールできません！」
「何対決をするの？ 実際に、となりの人とチャンバラをするとか？」

「違うよ？ じゃんけん対決だよ！」
「え？ 意外に、平和的だねぇ」

「となりの人と、じゃんけん５回勝負をして、勝てればゴール。 負ければ１回休み！」
「そして、勝てるまでゴールできないんだね？」

「そういうこと！ どうかな？こんな感じで？」
「いいんじゃない？」

「じゃあさ、赤鬼さんが来たら、みんなでやろうね！」
「そうだねぇ、楽しみだね！」


「それにしても、赤鬼さん、遅いね。 ジミーとボビーに迎えに行かせたのが、間違いだったか？」
「ニコッとタウンで待ち合わせる、はずなんだけど…」

「あの二人、ぼーっとしてるから、食べられちゃったんじゃない？」
「えっ！ 赤鬼さんは、人間の肉は食べないって、言ってたよね？」

「赤鬼さんは、そうかもしれないけど、世の中には青いのや、黄色いの、緑色のや、ピンク色 等々、
　色々な鬼がいるから、中には人食いのもいるかもよ？」
「そ、そうなの？ 怖いこと言うねぇ…」

「あ、うわさをしてたら、赤鬼さん来たみたいよ！」
「おーい、ジーヤ！ 赤鬼さんが、来ましたよー！」

「赤鬼さん、こんばんは。 あ、ちょっと待ってくださいね。今、豆まきをしますから」
「うん。 豆といっても、さや入りの落花生なんですけど。 では、やさしくぶつけますね」

「福は～内！ 鬼も～内！」
「ねぇ？ それなら、赤鬼さんに豆をぶつける必要ないよね？」

「さて、儀式が済みましたので、赤鬼さんこちらへどうぞ」
「え？ なんですか、赤鬼さん？ お土産を持ってきたの？ 気を使わなくてもいいのに」

「中身はなあに？ メザシ？ メザシだって！ ジーヤ、よかったねぇ」
「じゃあさ、赤鬼さんとジーヤは、これで一杯やればいいよ」

「じゃあ、オイラ、メザシをあぶってくるね」
「それなら、オイラは、お燗をつけてくるよ」


「こんな感じで、楽しくやってます！ 金銀ボーヤ＆ファミリーズ＋赤鬼さんですけどー！」
「そーですよ～！ 皆さんも、楽しい節分をお過ごしくださいね～」