連載自作小説 奇跡の降る夜14
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/26 14:52:07
『里親さん募集します』
交流掲示板に書き込まれたタイトル。そして写真。やむを得ぬ事情で里子に出す理由などなど書き込まれていた。
しかし、翔にはわかった。羽太郎が私を呼んでる合図なのだ。アップされた写真を愛おしくなでる。翔が懸命に看護した時よりずっと若い。
「もう一度、おまえと暮らせるんだね」
翔は、モニターに優しく語りかけた。
羽太郎の引き継ぎは、すらすらと、事が運んだ。そういう運命なのを知ってる翔には当然だったが、羽太郎を里子に出す飼い主さんは涙にくれながら、翔に
「よろしく頼みます」
と深く頭を垂れた。別れの痛みを知ってるだけに、翔も決して手放しで喜べない引き継ぎであったが、とうとう羽太郎は翔の懐に戻ってきたのだ。
オカメいんこの「きなこ」も本能で羽太郎を認識しているようだった。三つの鳥かごが並ぶ新しい生活が始まったのだ。
それから数か月後のある日。
すでに新人研修を終えて配属先に異動していた遠藤が、翔のところへやってきた。
「お久しぶり。仕事は慣れた?」
翔が話しかけると、遠藤はもじもじしながら、白い封筒を渡した。
「未熟者ですが、けっ…結婚することになりました」
さすがに驚く。
「私をペットショップに連れて行った時には、まだ彼女なんていなかったわよね?あの時のセキセイは飼ってるの?」
「はい、いや、飼ってる・・・というか、なんというか・・・」
いつもと違って煮え切らない態度だ。結婚する前の男性ってみんなこんな感じだったろうか?と思いながら、渡された封筒の中から結婚式の招待状を開いて目を見開いた。
そこには遠藤の名前とならんでいたのは「村上涼子」という名前だったのだ。
(つづく)
一言が気になるw
100話は無理かもですが、ちゃんと終わらせますね^^
最後まで読めませんでしたが、、
ぼうぼうさんは、小説の話を始めたんですね\(^o^)/
ぼうぼうさんも、100まで、、小説頑張ってください!(^^)!