調子に乗って腐ってみました その2
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/21 19:39:58
腐った『美女と野獣』です^^;
だがベルは特に何も言う事はなく、じきに用意した部屋についた。
「今夜はここで寝ろ。明日の朝までに着替えを用意させておくから」
そう言って部屋を出て行こうとすると、ベルがおずおずと声を掛けてきた。
「えと、あの、ここ…ですか?」
娘が来る予定だったので、その部屋は女性向けに花を飾ったり天蓋付きのベッドを用意したり、窓にはレースのカーテンを吊るしたり、全体的にかわいらしく設えてある。
「ああ。今寝られるようになってる部屋はここだけだから。明日になったら内装を変えるか別の部屋を用意してやるから、今夜はここで寝てくれ」
そう言うとそいつはしぶしぶ納得したようだった。
朝、目が覚めるとそいつは階段のあるホールで所在無げに立ちつくしていた。
着ているのは、シルクの白いブラウスと黒いパンツ。
明るい日の光の下で見ると、白いブラウスの襟に包まれたその顔は、血色が悪い。
「あの…おはようございます」
両手を胸の前で組み、もじもじしながらベルが言う。
「ああ、おはよう」
「あの…一応着替えてきたんですけど、この服…でいいんですか?」
そう言ってブラウスを掴むその手が、イヤに傷だらけなのにその時気がついた。
「ああ。結構似合ってるじゃん」
にやっと笑ってそう言うと、ベルは恥ずかしそうに笑ってうつむいた。
そのベルを食堂に案内し、隣の厨房に用意されている二人分の食事を運んで来てもらうと、この食事を誰が用意しているのかと訊かれた。
「ああ。この屋敷にはブラウニーが住み着いててさ、そいつらがいつの間にか色々用意してくれるんだよ」
そう。だから召使いなどいなくとも、おれひとりで不自由はないのである。
朝食をすませると洗い物もブラウニーに任せ、おれは湯あみの為にベルを浴室へ連れ込んだ。
「えと、あの…」
この姿では背中がものすごく洗いにくい。
かと言ってこればっかりは姿の見えないブラウニーに頼む事も出来ないし、折角なのでベルに背中を流してもらう事にした。
…が、海綿を手にしたままベルは困惑したようにその場に立ち尽くし、一向に背中を流そうとしない。一体なんだと言うんだ?
「えと、あの…着ぐるみは脱がないんですか?」
・・・はい?
「あの、着ぐるみ着たままでは背中流せないんです…けど・・」
尻つぼみになって行くベルの言葉を耳にしながら、おれはさっきの朝食の時、ベルが不思議そうにおれを見ていたのを思い出した。
あれは着ぐるみ人間がどうやって食べているのかが不思議だったのか。
「あのな、ベル」
おれは眉間を肉球で押さえつつ説明してやる。
おれは着ぐるみ人間ではなく、今見えているそのままの姿なのだと。
それでようやくベルは納得したらしく、頷くと明るい顔でこう言った。
「ああ、だから尻尾が動いてたんですね。どう言う仕掛けなんだろうと思っていたんです」
ベルの疑問は解消されたようだが、おれの疑問は解消されないままだ。つか、逆に深まったつーか。
おれの姿に無反応だったのは、着ぐるみを着た変な奴としか思っていなかったからだと言うのはわかった。んだが、着ぐるみではなくおれが見た通りの姿だと知って、なんで明るい顔で頷くんだ? お前の親父はおれの顔を見て「化け物」と言って腰を抜かしたし、それが普通の人間の反応だ。おれだってこれが自分でなかったら、化け物退治に行っちゃうとこだぜ。
・・・まあいいか。
「ここですか?」
あ~、そこそこ。
背中がかゆくても自分では掻けないから、気持ちいい~。
普段は柱に背中擦り付けるしかないもんな~。
メモ帳に保存してコピペしてるんですけど、
文章量多すぎると強制終了してしまうので厄介です~(ーー゛)
過大な評価、ありがとうございます^^ゞ
そんな事言われたら調子に乗るじゃないですか~w
ありがとうございます、続きも頑張りますー(〃▽〃)
シフォンさん、こんにちは。
美女と言うか、全然美形ですらないですが^^ゞ
一から考えるのは苦手なので、誰でも知ってる話をネタにする方がラクなんです^^;
お言葉ありがとうございました♪
ღまこっち3さん、こんにちは。
経験者確定ですねw
いっそまこっちさんも書かれてみたらいかがですか?
↓の続きからでも^^
「えと、あの…着ぐるみは脱がないんですか?」
「ひとりじゃ、ムリなんだ・・・脱がせてくれ」
以下想像略
毎回どのお話が題材にされるのか
楽しみにしております^^
おお~今回も見事な作りになってます。さすが安奈さん。
ベルくん純情でかわいいですね♪
続きも楽しみにしています。