私は病院に行って
すぐに薬を塗れる状態だったので、
一月以上かかったが、それでも治って来た。

包帯に体液がにじまなくなって、その上のかさぶたの
皮が一枚ぼろぼろっとむけて少しずつ、広がりが小さくなって行った。

かさぶたの皮がむけた所はゆで卵の様につるつるの白い肌が
出てきた。
腕の包帯が取れて、手だけになり、足もふくらはぎの所は取れて足だけになり
包帯の上に白いソックスを履くと解らなくなった。

ちょうどその頃。私の履いているサンダルを売ってほしいと言う上級生が居た。
別にかまわないが、漆かぶれが移ると可哀そうと思い善意で断った。

其のサンダルが盗まれた。
仕方なしに教師がサイズの大きな上靴で
忘れ物で何年も引き取り手の無い物を貸してくれた。

もし、取ったのが其の上級生だと
其の上級生は漆かぶれが移ったのだろうか？

つるつるたまご肌は評判になり、
触らせてと言う人まで居た。

足だけは長くかかり体育は出来ないが
後は正常に戻った。

机も拭いてくれる様になり、以前と変わらなくなった。

私がそれまでの対応を気にしなかった。
当然の事だとして、許す事にしたのだ。

教師でさえ、私のテスト用紙をどこを触ったら良いかと
思案しながら受け取った。
詰り後ろから順番にテスト用紙を回すのを私の前の人が
嫌がったのだ。
其れまで、毎日おしゃべりをしていた人である。
移らない様にと親に注意をされて来ていた。

だから席を極端に離した。
私だけが離れた席から自分でテスト用紙を教師の所へ
持って行った。
教師も緊張しながら受け取っていた。

私はその後の対応を普通にする様にした。
手がなおって、足も包帯がソックスの中に
隠れると次第に席も近くなって来たし、
私も声をかけられると普通に対応した。
しばらくは自分から声をかけなかったが
声をかけられると普通にニコニコと話をした。
まるでそれまで何事も無かった様に。


妹はそうは行かなかった。
休んだ時間も長かったが、治るのに時間がかかった。
やっと指が少し動くようになった頃に熱が下がった。

其れまでじっとしていたのは高熱が在って痛いと泣く気力も無かったのだ。

熱が引くと痛がった。其の頃に血のにじみがなくなって、
たらこの様に小さな粒粒の穴がたくさん開いていた所が
じくじくとした傷口の様になった。

手の平に５００円だま位の穴が２つ～３つ位深さ５ｍｍ位開いていた。
毎日病院へ母と行って、薬を塗って貰って、
家でも何度も体液でべとべとの包帯を取り替えた。
そしてその上に大人用の軍手を履いていて、

親友だった子が遊びに来た時に手をガラスで切ったと
家族で相談して言っていた。

私が学校での対応を家族に話していたので
そうしたのだった。

だが、妹はふと油断して信頼をして、
其の親友にこっそりと漆にかぶれたと打ち明けた。

やがて、体液も出なくなりかさぶただけになり
包帯を巻いた上に履く手袋もバスガイドさんのになり
学校へ行った。

すでに其の信頼していた親友が漆にかぶれた事を
学校で話していた。

小学生は小学生の知能しかない。
治っても虐めは続いた。

完治して、包帯さえ取れても、対応は変わらなかった。

妹が何か悪い事をしたのか！？
誰にでも起こる事だ。

妹も私と同じ、同級生のいない中学に受験した。

そこで一からやり直して、生徒会の役員にも
中３の時は選ばれるまでになった。

中高の友達とは年賀状のやり取りをしたり、
大学に行ってからも行き来をしていたが、
小学校の友達は数年間も親友だった其の人も
含めて、誰とも付き合ってない。

ある日病院で治療費の支払いをしながら
其の金額の高さに驚いた。

そこで、私は裁判に訴えて訴訟を起こすと
息巻いた。

祖母が重い腰を上げて、今までお礼の電話をしなかったが
実はこういう事だったと其の漆をくれた人に電話した。

母のお花の教室で契約していた花屋さんから花が
届いたが、高いので、満足に飾れない。

一人の生徒さんが庭に咲いていた花を持ってきて
母はそれにすごく感謝をした。

其の後数人の生徒さんが同じ様にしていたが、
祖母の知人の娘さんも習いに来ていた。

山でよさそうなのが在ったので切って
届けたのが真相。

事情を知ってすぐに菓子折りと何がしかのお金の入った封筒を持って
詫びに来た。

何度も山に行っている其の人は漆にかぶれた事が在るが
別の種類だった。
漆にも色々な種類がある。それが漆とは思わなかったそうだ。
自分はいつも其の木に触っているがかぶれた事は無かったそうだ。

家族で相談して、其のお金で妹と母が春休みを利用して１週間位か
温泉に湯治に行った。

何で私も行けないのかと不満に思ったが、
ピアノ教室で治るまで来ないで欲しいと言われて
帰って来て、もうピアノ教室を止めると言ったが、
泣きはしなかった。

其れが私が治ったのに、
まだ包帯に体液がにじむ状態で自宅のピアノを
弾いているのを見て、弾かないで欲しいと
言ったのをきっかけに妹の心の何かが
切れた様だ。
号泣して私に抗議をした。

で、私は留守番組に。