自作小説 奇跡の降る夜3
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/13 17:52:33
翔は首をかしげながら、この牛丼屋に入ってきた。彼女は飼っている老オカメいんこの「きなこ」と、これまたすっかり年をとったセキセイの「チビ」のための餌を買いに、いつもの店に来たはずだったのだ。チビは翔にとって二代目のセキセイだ。高校受験を控えつつ羽太郎の看護を続けた翔は、羽太郎が逝ったあとペットロスに近い状態になった。そんな翔にネットの仮想空間のアバターの形で羽太郎が翔にコンタクトをとって「ありがとう」と伝え、そしてほんとのお別れをした区切りにチビを飼い始めたのだ。
羽太郎との不思議な体験から十年近くたったんだなぁ。社会人になった私をあいつは今も見ているんだろうか?
胸がちょっといっぱいになるが、牛丼屋の前でこの図は少し変だとわれに返る。
常連の私に何も連絡なしに店が移転したのだろうか?いや、ありえない。十日ほど前、欠品だった餌を注文中である。
「まいったなぁ…どういうこと?」
と思いつつ、急にお腹が減っていたのを思い出す。鳥の餌も大事だが、自分のお腹も大事だ。とにかくここに入って事情をきくなりしようと店内にズンズン入っていく。
一人女性が泣いた後の顔ー目ががっつりはれていたーで牛丼を食べている。店内には二人と店員さんのみ。
異様な感覚に翔は心のなかで、(ありえない)とつぶやいた。と同時にもう一人の女性客と言葉がシンクロした。
そしてよみがえる感覚。時空の歪みー羽太郎が別れる前に言ったーその感覚。
羽太郎?
答えはなく、もう一人の女性が自分を見つめた。その途端さらに時空が歪み、彼女が時空の歪み飲み込まれそうで、慌てて彼女のそばに駆け寄り、彼女を支えた。
そして二人は接点であるキーワードをくちに出したのだ
いんこ?いんこ!
「うん、そうだよ!さあ、いこう」
ブルルン、いんこは興奮して羽がたっていた
(つづく)
後書き まだ骨格定まってなくて二人の登場人物出して一体この話はどこへいくんでしょうか~~?(^^;
ご指摘感謝です。
句読点がなくて、ほんと読みづらいです。
修正しました。
いんこの名前は、ひらがなにこだわりたかったので、「」付けにしてみました。
文法的には正しいのですが、読みやすさの関係で、
彼女は飼っている老オカメいんこのきなことこれまたすっかり年をとったセキセイのチビのための餌を
↓
彼女は飼っている老オカメいんこのきなこと、これまたすっかり年をとったセキセイのチビのための餌を
きなこ→ キナコ 季菜古 というふうに認識しやすくするのも手です
同じいんこ話だったので、交錯させたらどうなるかと思いまして。
どうなるか、さっぱりわからんのですよ。
迷走しそうですorz