自作小説 奇跡の降る夜ー1
- カテゴリ:自作小説
- 2012/01/11 21:36:53
イルミネーションの光は、カップルには祝福のように見えるのだろうなー「綺麗ね」とはしゃぐ彼女を見守る彼氏がそこらじゅうに目に付くのが気に食わないと心で毒づくのは、わかってる、自分が彼氏もいないで残業でお腹が減ってるからだ、と彼女は思う。
冷蔵庫には、しなびたほうれん草と寒い部屋に、帰るのが嫌になる。せめて何か食べてお腹だけでも満たそうーそう思った彼女はイルミネーションが点滅する中、ふと牛丼屋がめに入った。ペットショップだったはずのあの場所だった。いつ変わったんだろう?なぜ気づかなかったんだろう?私の人生の中で大事な場所と時間の交錯するポイントだったのに。
あの時の想いが、いきなり胸いっぱいに溢れとめることが出来ない。
溢れる感情は涙になって頬を伝って止まらなかった。
イルミネーションの光の点滅する中で、牛丼屋の前で溢れる涙をぬぐいもしない彼女はまわりの人の目には奇異そのものだった。
彼女は溢れる涙を腕でぐいっと拭った。拭った端からまた涙が溢れ、化粧が崩れたそのままで彼女は、店に吸い込まれた。
「並1つ、サラダも」
「かしこまりました」
女一人、涙を止めもせずに注文するのを、顔色ひとつ変えずに店員は聴くと牛丼をとりに厨房に消えた。
「プロだななぁ」
クスッ。店員の微動だにしない態度にかのじょの涙はとまってしまった。渡された牛丼を受け取りながら、ふと
「ここは以前ペットショップでしたよね?」
泣きながら店に入ってきた彼女に微動だにしなかった店員の女性が、この質問には困惑した。
「存じ上げず申し訳ありません。移転先をお尋ねになりたいのでは?」
「えっ?どうして、わかったの?」
「以前にも何度か同じことを訊かれたものですから。気になって私も調べたのですが、確かにここは以前ペットショップだったそうですね。私が知ってるのはそれだけです。申し訳ありません」
彼女は昔ここにあったペットショップに通っていた。評判の良い店だったので、贔屓の客も多かったに違いないのは合点がいく。彼女は通う理由がなくなってずいぶんたつから、店から連絡が来なくても仕方がない。とはいえ、移転時に常連客には連絡するのではないか?それとも廃業しちゃったんだろうか?牛丼食べながら、彼女はさっきまで泣いていたことをすっかり忘れていた。
「彼女がやっとくる」
ソワソワしながらかごの中でその鳥は、待っていた。もうすぐ会えるよ
(続く)
謎めいていますね
ところで、すきやのほうがスキな私ですが、お新香だけは吉野家ディーアンドシーです、てか吉野家はお新香だけが旨いw だって日米農業交渉てでしゃばる吉野家にゃカチンときますしw カレーは松屋www ところで一昨日は天一だった、ラーメンだけどw