Nicotto Town



「お雑煮の神様」

お正月。
どこの家でも、朝ご飯はお雑煮です。

「ユイちゃん、お餅焼けたからお茶碗によそって」
「はーい」

ユイの家でも今日はお雑煮。
お母さんのお手伝いをしていました。
焼けたお餅をお茶碗に入れ、おつゆをかけるのが、ユイの係です。
お餅を入れ終わり、お鍋のふたを開けるとそこには、なんだか、白い丸ものが浮いていました。
よく見ると、なんだかもぞもぞと動いています。

「お母さん。虫が入ってるよ」
「そんなわけないでしょ」
「いいから来てみてよ」

お母さんがお鍋をのぞき込むと、確かにそこには何かがいました。
お箸でつまみ上げてみると、それは虫ではなく、とても小さな「人」でした。

「変な虫~」
「ユイちゃん、これは虫じゃないわ。神様よ」

お母さんは、それが誰かすぐに分かったので、お箸でつまんでいては失礼だと思い、そっと、テーブルの上に下ろしました。
でも、ユイには、どうしてもそれが神様には見えません。

「酔っ払ったお父さんみたい」
ユイは、こたつの中でだらしなく寝ているお父さんを見ながらつぶやきました。
おなかの大きいところもそっくりです。
顔が赤いところを見ると、神様も酔っ払っているのでしょうか。
お母さんが、起こそうとしてしても、全く起きる気配がありません。

「困ったわね~」
お母さんがつぶやいたとき、天井の方からなにやら話し声が聞こえてきました。

「あら、あんなところにいるわ」
「おお、本当じゃ」
「やれやれ、やっと見つかったか」

二人が見上げると、そこには、小さな船に乗った6人の小さな神様がいました。
一人は、女の人のようです。

神様達は、寝ている一人を船に運び上げながらこう言いました。
「こやつが昨夜酒に酔って船から落ちての」
「一晩中探していたのよ」
「全く、困ったヤツだ」
「何か礼をしたいが…」
「むっ、こやつ、なにやら醤油臭いの」

お母さんが事情を説明すると
「おお、、良い事を思いついたぞ」
一人の神様がそう言って、他の五人に耳打ちしました。

すると
「うむ、それは良い考えじゃ」
そう言って、神様達は、次々と、お雑煮のお鍋の中に飛び込みました。

お母さんとユイがあっけにとられていると
「こうして居れば、わし等の福が鍋の中にしみ出すじゃろ」
「これを食べれば、必ず御利益があるはずよ」
「わし等の疲れも取れて、一石二鳥だの」
「おお~、いいお湯じゃ~」

ユイは
(なんかお風呂のお湯を飲むみたいで嫌だな~)
と思いましたが、お母さんが嬉しそうにしていたので、何も言えませんでした。

こたつの下ではさっきから寝たふりをしているお父さんが
(女の神様も入っているのか…でも、ここで起きたら、お母さんに怒られそうだ)
なんてことを思っていることには、誰も気づきませんでした。

                    おしまい


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2012/01/04 10:46
皆様、着衣入浴なさったのかしら・・・?
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2012/01/02 16:57
ひろさん

ありがとう(#^.^#)

どうぞ~、福をお裾分け致します~。
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2012/01/02 16:45
お椀を持って お伺いしても よろしいでしょうか?

でも いい才能ね^^  ちゅてき!!
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2012/01/02 16:33
お風呂場のことを
これから

雑煮場 と呼びましょう

   by  もち肌の ~ゆ  おー
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2012/01/02 16:17
たった今、即興で作ったお話なので、展開が変ですね。

いずれ、きちんとした形に直したいと思います(#^.^#)



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