小説<龍神のターン>
- カテゴリ:自作小説
- 2011/12/25 00:25:14
フェディキア暦454年、この地に再び、戦ーーーー。
「お父さん!お母さん!」
両親の待つ家にたどり着いた少年は、目の前の光景に目をみはった。
家がーー燃えている。
そのことだけがわかった少年は、両親を助けられないかと行動に出た。
が、彼に出来る事など、なにもなかった。
「くそっ!俺がもっと強ければ!お父さんもお母さんも死なずに済んだのに!」
彼は知った。今、ここーフェディキア大陸ーで、ベイル国とアシェド国の両国で、戦が始まるということを。
戦火は、どんどん広がっていったー。少年は、住む場所とともに、最愛する家族も、失った。
時は流れ、フェディキア暦457年。
戦は、終わった。たくさんの悲劇を残して。
またさらに、時は流れ、フェディキア暦463年。
フェディキア大陸のヴィレビア帝国。
ここに、1人の少年が、やって来た。
「貴様、どこから来た。」
「俺?キベリル王国から来た。生まれはーアシェドだけど。」
門兵に止められた少年ーロダ·ヘルスーは、そう言った。
「アシェド民だと?いれるわけにはいかんな。」
「はぁ?俺、キベリル民!アシェドで生まれたってだけ!」
あ、生まれは言わない方がよかったかな?と思うロダだったが、言ってしまったものは、取り返しがつかないものである。
「アシェドの血が入っているんだろう?じゃあ絶対にいれるわけにはいけないな。」
そういって頑なに拒む門兵。
「もー、じゃあ、いいよ。エルディオ王女に直接頼んでよー。ロダ·ヘルスが来ましたーって!」
「は?」
「早く!」
ロダは急かす。
結局、門兵は王女の元へ。
「王女様、ロダ·ヘルスなる者が、国に入りたがっているのですが…。」
「あら?ロダが?懐かしいわ。いいわ。通らせなさい。」
門兵は困惑する。
「えー、ロダ·ヘルスとはお知り合いで?」
「えぇ。」
驚く門兵。
それから数分後。
「お、来た。おーい、通れっていったろ?」
「お知り合いとは。びっくりしましたよ。」
え、敬語?と思うロダだったが、気にしない。
「んじゃ、また会ったらよろしくー。」
去っていくロダ。
所変わってヴィレビア城。
「おーい、エルディオ様ー?ロダ·ヘルスがはるばるキベリルからやって来ましたよー!」
「貴様、何者だ!」
「エルディオ様の知り合いでーす!」
「あらあら。ロダじゃない。」
とそこに奥から出て来るエルディオ。
「エ、エルディオ様!?」
「こ、こいつが……。」
あたふたする兵。
「よー!お久しぶりですねー。元気にしてました?」
と敬語なのかわからないが、挨拶するロダ。
「元気でしたよ。で、用件があって来たのでしょう?」
「そーそー。ご名答です!」
「じゃあ、私の部屋でお話しましょう。」
と去っていくエルディオとロダ。
部屋に着いたロダ達。
「国で何かあったのでしょう?」
「はい。」
真剣な顔つきになる2人。
「実は…キベリルの王様とエリウスの姫が、ナグラシスと戦をするという話が上がってたんです。」
ロダは、15歳だったーーーーーーーーーー。
ハッピークリスマス