スペイン風邪 知ったかぶり読書
- カテゴリ:美容/健康
- 2011/12/15 22:29:19
『四千万人を殺したインフルエンザ- スペイン風邪の正体を追って』 ピート・デイウィス著を読みました。
以前『スペインの貴婦人』というやはりスペイン風邪を扱った小説仕立ての本を読んだことがあるのですが、これはスペイン風邪の資料をまとめたものと研究者たちが当時の犠牲者の肺からインフルエンザウイルス採取に成功するまでの経緯から成っています。
<スペイン風邪>とはいうものの実際の発生地は中国南部と推測。第一次世界大戦時に中国人労働者がたくさんヨーロッパ西部戦線で働いていたそうです。
ピーク時のスペイン風邪は48時間がヤマで、肺の中でウイルスが大増殖、肺胞を破壊するため、患者は喀血、自分の血で呼吸器を詰まらせて窒息したそうです。
SARSが注目されるまでスペイン風邪の本は無かったような気がしますが、悪夢の病気を世界中の人間が忘れたがってたのではないかとも思います。そういえば大正時代の新聞記者の思い出話を読んだことがありますが。スペイン風邪については「自分が掛った時に看病してくれた叔母がスペイン風邪で死んだ」ぐらいの記述しかなくて「もっと語ることはないのか?」とギモンに思ったことがあります。
そしてスペイン風邪ウイルスの採取ですが、、記憶では「アラスカの凍土に埋葬されていた女性の肺から採取」と報道されていたけど、先にノルウェー領スヴァールバルでもスペイン風邪ウイルスの採取プロジェクトが行われていたそうです。しかも偉業をなしとげたのは民間研究者とノルウェーのプロジェクトにも参加させられていた分子病理学者のドーベンバーガー。
完全にノルウェーのプロジェクトを出し抜いてしまったんですね。
以降、ノルウェーのチームの大半はドーベンバーガーを敵視してるようです。
しかし、ドーベンバーガーにも理由はあるようで
①ドーベンバーガーは先に生体標本からスペイン風邪ウイルスのDNAの断片を採取することに成功しており、そのことで言われない誹謗中傷をインフルエンザ学会から受けていた。
②ノルウェーのプロジェクトはドーベンバーガー参加までに百万ドルつぎ込んで成果なし。(アラスカ行の資金は3000ドル)
③ノルウェーのプロジェクトのリーダーのカーティス・ダンカンは誰もが認める嫌われ者だった。
スペイン風邪の記録も怖かったけど最終的には研究者たちの人間関係が不気味でした。
今年、逝去されましたよね~
いつもこの時期はインフルエンザが流行るって言われてます。
新型ウイルスはどうなったんでしょうか・・・
去年は鳥インフルエンザがどうとか・・・
まだ予防接種したないです。