Nicotto Town



飛べない小鳥


あるところに、飛べない小鳥がいました。
どうして飛べないのか、自分でも分かりません。

一緒に生まれた兄弟達は、みんなお空に飛び立ちました。
お父さんとお母さんも、いつしかお空の上に行ってしまいました。

ひとりぼっちになった小鳥は、小さな木の下にお家を作り、ひとりぼっちで暮らしていました。

ある日、小鳥がお散歩をしていると、目の前の地面から、モグラが顔を出しました。
モグラは小鳥にこう言いました。
「なんだお前、変なモグラだな」
モグラは目が悪いのか、小鳥を自分達の仲間と勘違いしたようです。
「僕は鳥だよ」
小鳥はそう言いました。
「鳥?鳥って何だ?」
どうやら鳥を知らないらしいモグラは、すぐそばの地面から顔を出した仲間のモグラに聞きました。
「鳥ってのは、空を飛ぶヤツだ」
仲間のモグラが言いました。
「飛ぶ?だったらお前、飛んで見せてくれよ」
モグラは小鳥に言いました。
「僕は飛べないんだ」
小鳥はそう答えました。
「なあんだ、だったらやっぱりモグラじゃないか」
モグラはさらに言いました。
「だったら、そんなとこにいないで俺たちと遊ぼうぜ」

小鳥は少し迷いましたが、ひとりぼっちよりはずっと良いので、モグラたちと遊ぶことにしました。
いつの間にか、小鳥のまわりには、たくさんのモグラたちが顔を出していたのです。

「よし、じゃあこいつの歓迎会をやろうぜ」
最初に声をかけたモグラが言いました。
「賛成」
「いいぜ」
「やろう、やろう」
仲間のモグラたちが口々に言います。
「じゃあ、いつもの広場だな。」
モグラがそう言うと、仲間達は、一斉に地面の下に潜り始めました。
「俺たちも行こうぜ」
小鳥にも声をかけますが
「僕は穴なんて掘れないよ」
「しょうがないヤツだな。俺の後についてこい」
モグラは、ちょっとあきれ顔で言いました。

広場には、たくさんのモグラたちが集まっていました。
小鳥たちが着くと、歓迎会の始まりです。
今日のごちそうはミミズ、小鳥も大好物です。
「ミミズだぜ、旨そうだな」
モグラがそう聞くと
「うん、僕も大好きだよ」
小鳥はそう答えました。
「ミミズが好物なら、やっぱりお前はモグラなんだよ。変なヤツだけどな」
モグラの言葉に、小鳥は何も言いませんでした。
「でも、穴が掘れないと不便だろ?どうだ、俺のところに住まないか?」

その日から、小鳥は、地面の下でモグラたちとずっと仲良く暮らしました。

                             おしまい







でもね……

アバター
2011/12/15 12:47
温かいお話・・

どうなったのかなぁ~


もしや・・ 小鳥に育てられたモグラさん だったりして。。。
アバター
2011/12/14 15:45
いい話ですね。
感動してしました。
でもねの続きが気になりますね。
知らない方がいいような気もします。
アバター
2011/12/14 14:12
でもね・・・の続きが非常に気になります。^^;
アバター
2011/12/14 12:50
こんにちは・・・。

ええと・・・で、結局小鳥はモグラになったんですか?それとも
朱に染まれば赤くなると・・・ちがうか・・・。
マインドコントロールか!?



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