「今日はカレーだよーーん♪」

店主Kさんから、こんなメールが入ったのでｗｗｗ

うきうきしながら、またまたやってきた、例の喫茶店である。

「うおお！おいしーーーー♪」

アツアツのカレーをほおばって（注：メニューにはない）、

はふはふはふ・・・ふううう。

店主Kさんは、さあ、カレーも出して仕事が済んだとばかりに（注：商品のコーヒーを出すのは忘れている）
ギターをいそいそと抱えて弾き始めたところ。


「・・・はい、はい、ええ、そうです。」

「え？あ・・・ああ、はい、ちょっと騒がしいですがｗ」

お店の奥から、こんな電話の声が聞こえてきた。

「どしたの？問い合わせ？」

ちょっとクビをかしげながら、お店の奥から出てきた
スタッフSさんに話しかけると。

「あのねー、お客さんらしいんだけど・・・。」

埼玉からの問い合わせだったそう。

「あの、そちらは喫茶店ですか？」

「はい、そうですが。」

「コーヒー豆の販売はしておりますか？」

「はい、してます。」

「そちらでコーヒーを飲むことはできますか？」

「はい、できますよ。ちょっと騒がしいですが。」
（店主Kさんがギターに夢中なため）

常連一同、その話をきいて、ちょっと無言・・・。

口火を切ったのは、常連Sさん。

「埼玉から、コーヒーのみにくるってこと？」

次々に憶測が飛び交う。

「ここが喫茶店かどうか、わからなかったんだよねえ？」

「どこでこのお店の番号を知ったんだろう？」

「湘南に遊びに行こうって思って、調べたのかな。」

「まあ、コーヒーは飲めるけど・・・普通のお店か
どうかって言われると・・・。」


一同、うーんと黙り込む。

売り物じゃないのに、堂々と置かれているギター５本。
（カウンターには楽譜が山積み）

売り物じゃないのに、堂々と置かれているバイク５台。

売り物じゃないのに、堂々と置かれている、スナック菓子。

売り物じゃないのに、カレー食べてる常連。

コーヒー淹れるより、ギターに夢中な店主。

それぞれ好き勝手にくつろいでいる、常連。

「でもって、この問い合わせ電話、３回目なんだよねえ。」

「え・・・今日だけで３回？？？」

「これから出るって感じだったんだけど。」

「埼玉から、これから来て・・・夕方？？？」

「こっちに友達がいるなら、それもアリか。」

「でもさ、友達がいるなら、わざわざ電話で喫茶店探さない
でしょ！？」

「・・・。」

「・・・・・・。」

常連Sさんが、おもむろに言う。

「・・・おかしいなあ。」

次々に憶測が、飛躍してゆく。

「なんか、たくらんでるんじゃない？」

「誘拐した身代金の受け渡し場所、探してるとか？」

「埼玉から、アシのつかないこっちに場所を移動して。」

「なんか妙なものを持ち込みたいとか？」

「爆発物とか、しかけたい場所探し？？？」

「だって、普通の問い合わせじゃあ、ないよねえ？」

常連一同、推理をどんどん妄想に進化させてゆく。

「でも・・・来るのかな？」

「来るってことは、新しいお客さんだよね？」

「とりあえず、新規だよね？」

常連一同、俄然ワクワクし出す。

「じゃあ・・・♪」

スタッフSさん、いそいそとカウンターを拭き始める。

「あ、これも片付けとこう♪」

「あ、こっち移動して、スペース作ろう♪」

空いた椅子に、荷物を置いていた常連一同、

妙にテンションあげながら、お客様スペースを作り出す。

「これでよし！」

スタッフ＆常連の努力で（？）、すばらしいお客様用の
空席ができあがる。

（Sさんがこまめに清掃＆片付けしているので、
お店はいつもピカピカなのです、念のためｗ）

「何時頃、来るのかな？」

「埼玉からだと、すぐ出ても、２時間はかかるかなあ？」

常連一同、電話の主が来るまで、帰る気はサラサラなくなる。

「早くこないかな。」

「道、わかるかな。」

「ちょっと裏に入ってるからねえ。」

「迷ったら、電話くるかな。」

誘拐犯かもしれず。

麻薬の売人かもしれず。

爆発物工作班かもしれず。

・・・普通の、お客さんかもしれず。

そうして、夜は更けていったのであった・・・。


結局、電話の主は現れず・・・。

次週に期待♪