Nicotto Town



腐ったロミオとジュリエット

ジュリエットが男です^^

なぜだ・・・。
なぜだか、ジュリエットの笑顔がちらついて眠れない。
あいつは男だ。ドレス着てるけど男だ。軽いけど男だ。しぐさがいちいち可愛いけど男だ。
ああ、それなのに。
とりあえずおれは部屋を抜け出すと、隣との境界線を越えた。

そこから一番近い窓の下へたどり着いた時、都合良く声が聴こえてきた。
「わかってます、乳母やさん。おやすみなさい」
それに続いて扉を閉める音が聴こえた。
この声は確かに、昼間聞いたジュリエットの声だ。
おれは壁面いっぱいに這う蔦につかまり、二階のバルコニーへと登って行った。
「ジュリエット」
そして小さく声を掛けると、こちらへぱたぱたと歩いてくる足音がした。
「ああ、あなたは昼間の・・・あの時はありがとうございました」
窓越しにまたふかぶかとお辞儀をするジュリエット。いや、それよりさ…
「なあ、部屋入れてもらえないかな? ここ寒いし」
そう言うとジュリエットは、「ちょっと待って下さいね」と言うと窓際から姿を消し、扉を開け閉めする音がしたと思ったら、また戻ってきた。
「お待たせしました。今開けます」
その声と共に鍵を開ける音がし、おれはようやくジュリエットの部屋へと入れてもらった。

「あ、自己紹介してなかったけど、おれはロミオ。モンタギューさんちのロミオくん」
ジュリエットの部屋には椅子が一つしかなかったため、おれ達はベッドに並んで腰かけた。
「モンタギューと言うと、お父さんの喧嘩の相手の家の人ですか?」
「ああ、そう。困ったもんだよね。バカ親父たちにも」
「そうですね。何か仲直りさせるいい手があるといいんですけど」
「あのさ、あんたとおれが心中騒ぎ起こすのってどう?」
本当に困ったことだとため息をつくジュリエットにそう提案すると、彼はぱちくりとまばたきをし、
「俺、男ですよ?」と言った。
「わかってるけど。何か問題ある?」
「え? えと・・・ない、ですか?」
「ないよな?」
「えと・・・はい」
おれの強引な物言いに、わりとあっさり丸めこまれるジュリエットだったりした。

どの辺までなら有りでしょねー(にや)




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