高速バス、駅そして別れ
- カテゴリ:30代以上
- 2011/12/01 23:26:09
ちとせさんは僕のことをじっと見つめている。ウェルカムボードを見ている訳ではない。
「ちとせさんですね。こんばんは。」僕は言った。
はにかみながら頷く。そして僕はみんなに彼女を紹介した。
「ちとせさんでーす。」
みんな嬉しそうに彼女を取り巻き彼女と話しはじめた。
そして狭い階段を上りレストランの2FにあるBARに入店した。事前打ち合わせの際にありよしさんがちょうどいい席数と推薦してくれた一番奥のテーブルはしっかりと予約されている。
カウンターには二人連れが2組程度座っていた。気配り満点な本庄さんへの対抗心が残っていたのか、僕は2組と店員に「ちょっと、うるさくなりますがすいませんね。」と挨拶をした。僕はすでに酔っぱらっていたからいい迷惑だったかもしれない。
ちとせさんはすぐに場に溶け込んだ。アバターの印象に近い、小柄で美しい姿勢の可愛らしい女性だった。アバターとの違いは眼鏡をかけていることで、その眼鏡は彼女の持つ上品さをさらに際立たせている。そしてとにかく眼鏡っ子が好きな僕には嬉しい誤算だった。
彼女はまず最初にまささんと僕が作ったウェルカムボードを評価してくれた。その評価と表現は適切で僕たちを心の底から笑わせてくれた。彼女はどのように人を幸せにするか全ての技術を知っているようだった。
努力無しにものごとが達成される事はない。彼女は人々の幸せに関係する仕事をしているし、その技術を得るために努力を積み重ねてきたのだろう。
僕たちはその店で黒ビールを飲み、そしてちょっとしたカクテルやアードベックとかいう難しい名前のIslay Maltを飲みながら、こころゆくまで談笑した。
そうそう、ちとせさんはお腹が空いていたのでピザも頼んだ。テーブルの後ろの窓がぱかっと開いてピザの皿が出てくる。それを客が自分達でサービングしなければならない面白いスタイルの店だった。
まささんは時々タバコを吸い、本庄さんと一言二言交わしながらみんなの会話を聞いていた。僕たちと話す時もじっくりとこちらを見つめながら話をして、会話の後にゆっくりと深い思考に戻っていった。
僕は酔っぱらって何を話したかも覚えてないほどだったけれど、それでもとても楽しく、そしてゆったりとした貴重な時間が流れていた。
ありよしさんは横浜から夜行バスで帰る事になっていて集合時間がやみくろが追っかけてくるように迫っていた。ありよしさんは立ち上がり、そして僕たちに別れを告げ階段を下りていった。
それからすぐに僕たちは相談を始め、高速バス乗り場でありよしさんをあのウェルカムボードを振りかざして見送る事に決めた。その行為は発車の瞬間にありよしさんの孤独を和らげ、発車以降、特に途中の休憩期間中の気まずさはは彼女の孤独を深める気がした。
支払いを済ませ駅構内に急いで向かったが、そこにありよしさんの姿は無く高速バス乗り場の正確な位置を知る人間もだれもいなかった。僕たちは表面上は盛り上がっていたが、それはまるで知らない町に置き去りにされてしまった子供達が感じるような、やるせない気持ちだった。
たぶん僕たちはあのとき会うべくして会ったのだし、もしあのとき会っていなかったとしても、僕たちはべつのどこかで会っていただろう。とくに根拠があるわけではないのだが、僕はそんな気がした。
時間も遅くなっていたので、中央北改札に戻り僕とクワトロさんを残し、家に向かう事になった。二人はみんなが改札を抜けてホームに上っていくのを手を振りながら見守っていた。
本庄さんの大きな背中を見ながら
「へへーん。ちとせさんの携帯番号ゲットだぜ!」なんてことを呟やいて
「がび〜ん」なんて本庄さんがショックを受けるのを妄想しながら
軽い優越感に浸ってなんかはいない。
「さぁ。行こうか。」僕はクワトロさんに声をかけた。
ーーーもう少し続けようか。ーーー
そうだよね。この文章書いてて思うんだけど、これは僕の主観中心だけど、みんなもあれだけ盛り上がっていたという事は、いろいろなところで僕の知らない会話があったんだよな。聞きたいなぁ。
またみんなと会ったりチャットしたりして話をしたいです。
そうですね。ちとせさんはなにか会うだけで嬉しくなるものを持っていますよね。
改札はだいごろうさんの終電前だったので一瞬でしたが、なんか学生時代のように普通に友達が帰っていく雰囲気でした。考えてみれば不思議だなー。
ただの坊主のオヤジを警戒する必要はありません。
僕の本命は、ちとせさんでもなくありよしさんでもなく「だいごろうさん」なのです。その魅力は出会う前からのブログやコメントからの印象でもあり、出会った後の美しくそして適切なタイミングと強度の男前な突っ込みの質の高さでもあります。この文章ではあまりにも恐縮して表現できていません。
そして僕と本庄さんは彼女との「デート」を切望し壮絶な駆け引きを始めます。二人の間を揺れ動く彼女の心。しかし彼女は最後に男らしくすっぱりと決断します。そして敗者となった僕は一人去っていくのです。池袋方面に。
次回:「敗者の華麗な復活。」乞うご期待!
そう、あなたの背中は大きかった。あのウェルカムボードのハートマークよりも。。。
修正しました♬
はい!みなさん とても素敵な方々でした。はぁ。一週間経っても余韻がありますね。
Thank you!
ろくな挨拶もせず大急ぎで帰って申し訳なかったなぁなんて乗り込んだバス発車直後「見送れなくてごめんなさい、配慮が足りませんでした・・・…」というメールを頂いて「え!?配慮!?」って吃驚したのですが、このことだったんですね!?本当に、皆さん優しい……
あんな寒い日にそんなお気づかい頂いていたとは、ああ、もううるっときちゃいます。
……ところで、私、ちとせさんのブロコメがいつも物凄くツボです(笑)つっこみのキレが完璧すぎます(笑)!
続きお願いします☆
ちとせさんと目が合った時
とても嬉しかったのは私だけではなかったようですね(・∀・)
改札での出来ごとは嵐のように
去って行ったのですが、瞬間的であったせいか
みんなの様子が余計に焼き付いています♪
思ったことをすっぱり言ってしまう性格なだけですよ。
特にギネスをぐいぐい飲んだあとは、ついポロっと本音が出ちゃうんです。
でも、てらもっちさんのブログを読んでつくづく思いました。
完成度よりも、相手を想って作るという課程の方が大事なんだと。
結果より努力の課程が大事とか、そういう感じのアレですよ。
制作時間25分の中にありよしさんへの想いが凝縮されてるんですよね!!
どうですか? 私の背中は.
大きかったですか?www
【修正依頼】
アードベックは『アイラモルト』です.
すごく美しく見えるのは私だけでしょうか・・・
てらもっちさんの文章力によって描き出される登場人物がお会いしたことないのですが
みなさんとてもステキに見えてます><
続き・・・・待ってます><