競いあうこと
- カテゴリ:30代以上
- 2011/12/01 20:01:59
いつもそうだ。いつも同じだ。僕は幹事だ。
飲み放題だったけれども、ほとんどの注文はありよしさんと本庄さんがさばいてくれていたし、灰皿の配置は常にまささんが気にしてくれていた。
「そろそろ席替えです。」と僕は幹事らしく言ってみた。
誕生月ごとに並び直したら僕はやっぱり本庄さんの前に座る事になり、それからしばらく二人で政治や非線形な偶然とか津波の話をする。彼が何かを言いかけて息を吸い込んだ時、僕のiPhoneがブルっと振動した。僕は席を立ち通路に出て通話ボタンを押した。
「もしもしー。初めまして。ちとせです。」それはスミレのように可憐な声だった。
天井を眺めながら、彼女が職場を出てこちらに向かっている事、僕らが今の店を出る時間に次の店で落ち合えるなんていう話をした。
「ええ。お店で待ち合わせでちょうどいいわ。」彼女は言った。
もちろん、そして重要な事として彼女とは初めての会話だったけれども僕は全く緊張しなかった。
座敷に戻ると、お友達さんがビールをぐいぐい飲んで「一途な想い」について語っている。僕は彼女に比べれば少しだけ一途ではなかったからビールを「焼酎」に変えて飲み続けた。
僕の心の中の九州への想いはチョウチンアンコウやソコダラが暮らしている海より深い。
そして、だいごろうさんが素敵な突っ込みを入れてくれるたびに目を合わせてくれるのがただ嬉しかった。
ありよしさんをからかう事に少し飽きて、クワトロさんの仕事の話に聞きいっていると本庄さんが近づいてきた。
「そろそろ時間じゃないかな。」
ちとせさんを心配している。僕はちとせさんとはすでに待ち合わせの話をしていたし、到着する時刻も分かっていた。ちとせさんを少し知っている「男」として本庄さんより上になった気分になり嬉しくなった。あとから考えると彼の方が十分な気遣いだったというだけなんだけれども。オーケー僕は認めよう。少し本庄さんと競いたい気分だったんだ。強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。
僕たちには落ちつくべき時期と、変化するべき時期とがある。どんなものでも同じ環境がいつまでも続くと、エネルギーが徐々に低下してくる。店を変えるタイミングだ。
予定の終了時間になると、乾杯も無しにあっさりと飲みを止め、会計を終えて全員で次の店に移動を始めた。みんな楽しく酔っぱらっていたけれど、あのウェルカムボードだけはしっかり持っていた。次の店の前にはいびつな形の交差点があり二つの横断歩道をわたらなければならない。
僕は先頭にたち横断歩道をわたりはじめた。電柱のそばの女性がゆっくりとこちらに振り返った。
僕はすぐに理解した。
美しく確かな微笑みを見せ彼女はすっと立っていた。
ーーーー続けるかい?ーーーー
そう、物語は佳境にはいります(・∀・)
いつもThankyou!
連載希望ありがとうございます。
がびーん だけもらいました。
それは男にとって大事な「競い」なのです。
分かっていただいて嬉しいです.応援してください!
もお,てらもっちさん.
ネタがすぐ分かっちゃいました.
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(本庄) :ひとつ質問していいか?
(てらもっちさん):(肯く)
(本庄) :あんたは本当にそう信じてる?
(てらもっちさん):ああ.
(本庄) :(がび~ん・・・ 黙 ビールグラスをガン見)
(本庄) :嘘だと言ってくれないか?
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でも、わかるような気はするww