宝くじの当たる確率
- カテゴリ:30代以上
- 2011/11/29 23:18:52
ここで僕たちのコーディネートを紹介しておこう。
僕は黒くて飾りポッケがついたハーフコートにジーパン姿だった。
ただ、少しだけ周りの人と違うのは100円ショップで買ったクリスマス用の紫色に光るモールと水色に光るモールを首と足首に巻いていたこと。そして例のウェルカムボードを両手で差し上げていて、もちろんウェルカムボードはきらきらと光るモールで縁取られていたし、真ん中にはピンクのハートマークが描かれていた。
まささんはカッコいいスーツ姿だったけど、やっぱり水色のモールを首に巻いてウィッシュのポーズをとっていた。
そう。反射していたのは地下道の天井にへばりついている蛍光灯の光だったんだ。
みんな、60年代のいかした格好ぐらいにしか思ってくれなかったみたいだけど、僕たちは世界中の森が倒れるくらい素晴らしい格好だと思っていたんだ。
「あなたって確かに少し変わってるわ。」
誰かがそう言ったように思うけれど、もうそれも誰だか覚えていない。
行き交う人々の中に、こちらに向かって歩いてくるクワトロさんはいない。
「音楽関係だから、それらしい格好をしているんじゃないかしら。」とありよしさんが言った。
看板を革ジャンを着た背の高い男に向けて、彼をじっと見る。視線をそらされた。彼はさっさと改札の方に向かって歩いていった。
あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている。
クワトロさんからiPhoneに連絡が入った。
「北中央改札にいる。」
「僕たちは北改札にいますよ。近くに喫茶店がありませんか。」
「喫茶店なんてないよ。どうすればいいかな。」
「わかりました。そちらにいきます。」
「どこか分かるんですか。」まささんが言った。
「その程度の見当はつくさ。」僕は試しにそう言ってみた。
「やれやれ」本庄さんはそんなことを言ったかもしれない。
キラキラと眩しく反射する二人を先頭に横浜駅の縦断が始まった。
びっくりした目でこちらを見つめるクワトロさんを東横線の切符売り場の前で見つけると僕たちはやっとお店に向かった。
クワトロさんは好青年としかいいようのない人で、僕たちの中で一番まともな感覚がすると想像したのだけれど、あんがいあっさりと頰を紅潮させた僕らの会話になじんでいったようだった。
地下街から地上に向かう途中で、男子組と女子組そしてまささんがはぐれた。でもそのトラブルは宝くじ売り場の前ですぐに出会う事で解決されて、宝くじの当たる確率と僕らが出会う確率の相関を少しだけ僕に考えさせてくれた。
看板とかモールに包まれた格好とか、ぼくは正しいことをしたのだろうか?自分が正しいことをしたとは思えなかった。ぼくはぼく自身にとって必要だと思えることをやっただけだった。
。。。。。続けようと思い始めた。
世界中の森が倒れたら、そりゃ責任取りますよ。
とりあえず、「この〜木何の木、気になる木!」の種を世界中にまきます。
次回のウェルカムボード制作にはデザインで参加してください。
まささんも僕にとってもあれがゴールではないのです。
絶対のものは出来ませんが、最上のものを目指したいのです。
この文章を書いてやっと村上春樹のすごさが僕には分かってきましたよ。
言葉の選び方・文章化・文の構成。
全てが練られているのに感性でこなしている。
好き嫌いは別にしてですが。。。
まぁ。思い切っていろいろパクってますから。
比喩関係はそれっぽくしているだけな部分が多いですね。
後半部分に入って少し自分の文章が多く登場してきてしまってharukiらしさが少なくなっています。
難しい。
いつの間にか迷子、いやはぐれていたんですよ・・・
そりゃ慌てて電話もするっつー・・・
映像が浮かんできます・・・
それからどうなったのかな・・・@@
きになるwwww
てらもっちさんのブログを読んでいるうちに、
あのウェルカムボードは素晴らしいものだったような気がしてきました。
クワトロさんに『やれやれ』を取られた・・・(涙)
ちなみに,村上春樹って,普通に語っている文体ですよね.
(初期だけかな?)
比喩がそれっぽくていいですね~(・∀・)