Nicotto Town


グイ・ネクストの日記帳


神の計画(ゴーストのつづき) 長いよw


地にさわり、地に帰る。

ボクは崩れた宿屋の跡地で、スコットの作ってくれた結界の中で、火を焚き、土をさわっていた。

「生まれ変わったら、また遊んでね」

そんなリリィの声が胸に響いてきた。

嬉しかった。素直に単純に。

とても嬉しかった。

「生まれ変わらずとも、遊ぶよ。リリィ」

リリィの笑顔が見れた気がした。

それは一瞬という幻かもしれないし、「光」かもしれない。

黄金のヴェール。

サラの導きなのかもしれない。

宿屋に眠っている本を読んだ。

それはリリィの愛読書だったのかもしれない。

その本を先に読んでいたニナは、泣いていた。

どういうわけか、声を上げて泣いていたのだ。

ニナが言うには・・・518ページを読んで。とのことだった。

そこには「神の計画」と書かれていた。

ボクの目に入ってきたのは、注意書きだった。

「神の計画を代用することなかれ」

「神の計画を受け取る準備ができていることだけを自覚できればよい」

わからない言葉だった。

わからない言葉だったが、スコットも、ボクも…不思議と同じ場所を見たのか、

同じ言葉を復唱していた。

いや、つぶやいていたのだ。

二人して、相手の顔を見て笑いあった。

二人とも無様に泣いていたからだ。

ボクたちは泣き、そして笑った。ニナも、ボクたちの姿を見ておかしくなったのか、笑っていた。

この本が、リリィの愛読書だと、わかったのは…リリィの言葉が残された白い紙切れが入っていたからだ。

「大好きなお姉ちゃんへ。お姉ちゃん、私とうとうフィオルさんからもらった弓で村の人たちを浄化したよ。でも駄目なの。
自分の両親だけは破壊できないの。白骨化して…姿だけ見れば、おもかげは無いはずなのに。

どうしても生前の姿が、重なって見えるの。お姉ちゃん、昔みたいに私をリリィを助けて。

優しいお姉ちゃんに戻って。どうして魔女になんてなってしまったの?どうしてお姉ちゃんが村を滅ぼしたの?

お姉ちゃんは私に…。それとも人間に絶望してしまったの?恋人と別れたことが原因なの?

教えてお姉ちゃん?裏切られたことが原因なの?誰もお姉ちゃんを理解しなかったことが原因なの?

だったら、ごめんね。お姉ちゃん、ごめん。だから…お姉ちゃん。また遊んでね」と、書かれていた。

リリィはこの村。レコムンドを滅ぼした女性と、親しい仲にあったらしい。

そして何かがきっかけで、彼女は孤独を体験し、村に復讐した。

そしてそのまま村の男たちを奴隷とし、魔王の手先として…セミューレの滝の洞窟で働かせて、星を滅ぼす魔王の企みを助けて

いるのだ。彼女は悪者だろうか?

かつてサラは教えてくれた。

間違いを学んでいる人間もいると。

先ほどのリリィの愛読書の文章が甦る。

「神の計画を代用するなかれ」

「神の計画を受け取る準備だけできていればよい」

胸の痛みを感じた。

悪意を学んでいる人間もいるのだ。

悪意を施せば、悪意が帰ってくることを体験しないと、わからない人間もいるのだ。

そして他の人が、そういう道へ走らないために、わざと、悪意の道を演じてみせる心優しき人間もいるのだ。

前者は絶対悪などと、呼ばれ…後者はあの人も魔がさしたなどと、言われる。

人間の判断などそんなものかもしれない。

神の計画の偉大さを人間の物差しで、図ろうとすること事態が、おこがましいと、気づくならば。

ボクたちのすることは何だろう?

ボクは思った。

リリィの純粋な気持ちを伝えよう。

例え、何かがきっかけで闇に心を落としたのだとしても、リリィに慕われる人だったのだ。

ヨシュアだってそうだ。

父親を助けるために集めた「仮面」に操られ、魔王となってしまったのだ。

挙句の果てに父親を殺してしまった。

世界を滅ぼしかけている。

いや、ボクが滅ぼさせはしない。

ヨシュアの手をつかみに行く!

後押しされているのではないか?

ヨシュアを助けることは…神の計画の一部なのかどうか…ボクにはわからない。

ただボクは宣言すればよいのではないか?

それともリリィが読んでいる愛読書の「神」とは何なのか?

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2011/11/28 07:59
 おおぉ w(゚ロ゚;)w

 



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