ドラゴン日誌 二日目
- カテゴリ:日記
- 2011/11/25 10:27:05
ライオンの爪が、みなわに届く寸前に、俺は奴の左目を爪で引っ掻いてやった。
「キャン!」
という間抜けた声がどこかから聞こえた…えっ?
そんなことにかまっている暇はない、俺はみなわに叫んだ。
「 剣だ!みなわ!!」
体勢を立て直したみなわは、妖刀ムラマサを鞘ばしった。
怪しい光が刀身を走り、夕闇に異質な青い世界を作り上げた。
頭を低くしたライオンは、みなわに狙いを定めてジャンプした。
正眼に構えたムラマサをみなわが振り下ろす。
青い光が四方に飛び、俺は目を開けていられずに、目を閉じて地面に落ちた。
「シャー!」
という声がして、俺が目を開けると、まだ消え残った光の中から、何かが飛び出していくのが見えた。
「みなわ!?」
薄れていく光の中で、みなわがムラマサを鞘に納めるのが見えた。
「ピーちゃん、大丈夫?」
ムラマサが鞘に収まると同時に、光は消え、辺りにはかすかな夕日の残照が色を留めた。
ライオンの死体が転がっているはずの場所を、俺は探した。
何もない。
血の跡が、ほんのわずかについていたが、それは俺の爪にもついているんだから、たぶん引っ掻かれた目から出たものに違いない。
ということは、確かにライオンはいたが、逃げられたということだ。
「キキー?(逃がしたのか?)」
「ううん。手ごたえはあったの」
「キー(いないじゃないか)」
「そんなの私に言われても…そういえば、何か小さな生き物が森のほうへ走って行ったけど…」
俺たちは同時に森を見た。
みなわは、ひょいとおれを摘み上げ、肩に乗せると歩き出した。
「どっちにしても、森の中のほうが安全よね」
そうだな、と俺はつぶやく。最初から、そう言ってたじゃないか俺が!
森の中は、闇そのものだった。
だが、闇こそがおれの世界だ…。
俺は音もなくみなわの肩から離れ、木々を縫うように飛び去った。
俺は神経を集中し、超音波を飛ばし続けた。
帰ってくる反応は、木と生き物。
たぶん、ここに居ても何ら不思議ではないものの反応。
たまに、みなわを置き去りにした場所へ戻ってみたが、大きな木の上の枝に腰を掛け、幹にもたれて眠っている姿をみると、こいつはもう順応してるじゃないかと、ため息が出る。
明け方、俺はフラフラになってみなわのところに帰った。
「キキ、キキキー(おい、起きろ)」
木の股で眠っていたみなわを叩き起こすと、俺はみなわの肩にとまって、夢も見ずに眠った。
ピーちゃんを肩に乗せて草原に出たみなわは、当てもなく湖の周りを歩き始めた。
三時間ほど歩き続け、カバや、ヤブイヌや、ハイエナ、ハゲコウ、…ここにいていい動物をあきるほど見つけた。
太陽が真上に上った。
「お昼ご飯にしよう~」
みなわは、独り言を言いながら、ピクニック気分で食事の場所を探した。
日陰を探して大きな岩陰に入ると、目の前に小さな動物がいた。
みなわは、息を止めて固まった。
凝視する視線に気づいて、白っぽい生き物が目を覚ました。
「キャン!」
そう叫ぶと、その白い生き物は一目散に森へと逃げ込んだ。
「待って!」
みなわは、止めていた息を大きく吐きながらそう叫んだ。
「ピーちゃん起きて」
俺は、足と羽を交互に伸ばして大きな伸びをした。
「キキ?(どうした?)」
「見つけたの。ここに居ちゃいけないもの」
「…?」
「フェレットがいた」
「キキキ?(動物か?)」
満面の笑顔で、みなわは走りだし、俺はしがみついた。
「キャン!」
森の中で、大きな悲鳴が聞こえ、そいつが走り出してきた。
確かにこいつはここに居ちゃいけないと、俺にもわかった。
頭に赤いリボンをつけ、腰に赤い布を巻いて、左目に眼帯をしたフェレット。
そいつの後から、大きな豹が飛び出してきた。
みなわがムラマサを抜いた。
みなわとムラマサを見て立ち止まったフェレットは、襲い掛かった豹を避けようと、みなわの腕の中に飛び込んだ!
みなわがムラマサを豹の鼻先で振ると、しなやかな体を空中で返した豹は、来たとき同様音もさせずに森へと逃げ帰った。
みなわがボタンを押すと、湖にボートが現れた。
スーツの男が、意地の悪い微笑みを見せて聞いた。
「見つけましたか?」
みなわは、腕にしがみついているフェレットを指差した。
男は、不審げにみなわの右腕にしがみつく生き物を見た。
「これが、それだと?」
男は首を傾げて言った。
「…誰かの飼いフェレットかもしれない」
「でも、ここに居ちゃいけないよね。第一、アフリカの自然の中にフェレットは存在しないのよ。もう何千年もペットだったんだから」
「ウホン、それはそうだな」
「じゃあ、これでしょ!」
それは無理だと思うぞ。
どう考えたって、ごり押しもいいところだ。
俺が口を挟もうと思ったとき、
「さっさと返事しなさいよ!」
と、みなわが言い放った。
勝ち誇ったようなみなわの気迫に押し切られ、たじたじとなったスーツの男は、どうぞというように俺たちにボートを指示した。
すげえ~! みなわ!!
ありがとう~!
みなわの強気で、世界一周を成功させなきゃ^^v
無事にボ-トに乗れて良かったです∑d(・ω・*)ネッ!
いいとも~!
訪問ありがとう!
睡眠不足に気を付けてください^^v
ありがとう!
みなわ能天気すぎ!
ありがとう~!
アバはフェレットと出会う前の設定なんです^^:
フェレットは次回から登場予定です^^v
う~ん、ライオンの肉は、美味しいのか?^^;
謎のスーツ男…どうなることやら。^^v
リアも気だけは強いです^^:
アバの右手にフェレットがしがみついてるかと思ったらいなかった^^;
お肉食べれなくて、残念?
可愛いけどちょっとコワイ。。
ちょっと触れない。。
スーツの男!
誰なんだ~~@@
なるほど、ピーちゃんご就寝中なので三人称なんですね。
いいんじゃないでしょうか~(^.^)v
それにしても、みなわさん強し!^^;