Nicotto Town


ウイークエンドシェフ ★/ パプリカ


犬が来た


まじめな話です。

生後2ヶ月の子犬が家にやってきた。
足が太くて、丸っこくて、つぶらな瞳で、動きもかわいい、ぬいぐるみみたいな犬だ。
雑種のようで、毛の色は茶色。
耳は垂れていて、口元はまだ黒い。
水を飲むしぐさも、エサを食べる様子も、愛らしい子犬そのものだ。

家で犬を飼い始めたのか?
いや 違う。これから、1~2ヶ月預かるのだ。
かわいがってくれる飼い主が見つかるまで、我が家で面倒を見るのだ。

この犬は、捕獲された野良犬で、飼い主が見つからない場合、ガス室に送られる運命だったのだ。3匹の兄弟で、他の2匹も捕獲され次第、我が家で預かりをする段取りになっているが、まだ捕獲されていない。
人間の社会では、犬は人に飼われないと生きていけない。人の管理から外れた犬は、放浪したあげく、捕獲されて殺されてしまう。残酷だが、これが現実。

まだ今ほど景気が悪くない数年前のペットブームの頃、営利目的で高値で取引される犬を大量に飼育する業者が現れた。パピーミル(子犬工場)と呼ばれるこの業者たちは、死なない程度のエサを与えて、母犬に無理やり大量の子犬を何回も産ませ、人気の無くなった犬にはエサを与えなかったり、山の中に大量に放置したり、犬たちを自分たちの営利目的の商品としていた。良く行くペットショップで売っている犬も、そういうところで生まれた犬かもしれない。日本は、そういうところが、ヨーロッパなどの犬と共存する社会と違うのだ。

ペットショップで売れずに廃棄された犬、飼い主が亡くなって引取り手のいない犬、そして今回のような保健所に捕獲され殺される寸前の犬、こういう不幸な犬を助けるボランティアの手伝いを、我が家はしているのだ。我が家では既に犬を飼っているので、これ以上飼えないが、飼ってくれる方が現れるまで、世話をして、しつけをして、愛情を注いであげる。

すべての犬を救えないから偽善的だと言われることもある。自己満足とも言われる事もある。犬の病気・騒音の被害から敵視される事もある。しかし、生まれてきた命だ。人より小さな、か弱い命なのだ。そのまま殺してしまうのでなく、少しでも幸せな生き方を見つけてあげる手助けをしてあげなくては。
そんな考えに賛同して、犬の預かりのお手伝いをしています。

人は犬より寿命が長いので、犬が亡くなるまでしっかり面倒を見てあげましょう。
それと、かわいいからとたくさん子犬を産ませるのは、不幸な犬の元です。飼ってくれる人のあてが無いのに、子犬を生ませないでください。
最後に、犬と人間は有史以前からの仲間です。愛情をもって接してください。




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