Nicotto Town


日々づれづれ


ドラマティックな夢を見たよ。

※夢でござるよ。

* * *
 剣士は夢を見ていた。いやな夢だった。
 己の不注意で、自分の大切なものにも、他人の大切なものにも、傷をつけてしまった夢だった。
 誰かが部屋に入ってきた。正体は考えずともわかる。この国の王だ。
 王宮内に与えられたこの部屋の鍵を持っているのは、自分以外に彼だけだ。
 いまだ布団にもぐったままの剣士は、ちょっかいを出されるも無視を続ける。
 夢見が悪かったのだ。今少し眠りたい。
 違う夢を見て、不覚にも残ってしまった記憶を消したい。
 狸寝入りと分かっているのだろう、微かな笑い声が聞こえる。
 眠ることも、夢を見ることも、次第にどうでもよくなってきた。
 ただ、王の手を無視し続ける。その戯れに夢中になっていた。

 この国の王は天使だった。比喩ではなく実際に羽根があった。
 国民は様々な者たちだった。皆平和に、幸せに暮らしていた。

 王の手がゆるゆると、下へ下へとおりてゆく。
 これはまずいと「いい加減にしろ!」と身体を起こせば、窓の向こうの空が赤かった。
 一瞬であった。
 見下ろす海岸は、魔物で満ち、禍々しい空気に覆い尽くされる。
 なぜだと思う暇もなく、駆け込む足音に二人はあわてて離れた。王は鍵をしめていなかったらしい。
 駆け込んできたのは、王と、剣士を慕う子供たちだった。
 年かさのものは、二人が何をしていたのか気づいたのだろう。どこか責めるような視線に、剣士は居心地悪く着衣をただす。
 魔物だ、どうしよう、騒ぐ子供たちを抱きしめて、大丈夫、非難しなさい、王は逃げるようにと促した。
 きっと――様がやっつけてくれるよね!
 子供に名を呼ばれ、剣士はぎくりと肩を震わせる。
 なんとかほほえみを浮かべて、子供らを外へと促した。

 聞いていない、こんなことは。なにもかも、予定になかった。

 この国には四人の悪人がいた。それぞれが役割を持ち、破壊神の復活をもくろんでいた。
 すでに遠いおとぎ話のようなそれを、信じたのは天使が治める国だったからだろう。

 王宮の地下、魔術師は嬉々として敵を屠っていた。
 彼の役割は破壊神復活の儀式であったが、待っているのが嫌になったのだ。
 殺したものを下僕とし、増えた数だけまた死者を増やす。
 その動きをとどめたのは、この国で最強と呼ばれたものだった。
 ただし、今はもう頭だけの姿である。
 「口惜しや、口惜しや、この体が灰でなかったら、復活し、貴様なぞ退けてやるものを」
 魔術師は首をかしげる。あのものは裏切ったのではなかったのか?
 「いいや、あのものを、かのものを、殺したのはあいつだ。私の首を、おとしたのもあいつだ。
 貴様らの仲間だろう?時間さえくれれば、その口上も述べてやるが?」
 魔術師はその口上に興味がわいた。手を止めて、首の話に耳を傾ける。
 ちっとも連絡をよこさなかった、あの剣士はなにをしていたのだ――――

 この国には四人の悪人がいた。それぞれが役割を持ち、破壊神の復活をもくろんでいた。
 剣士の役割はスパイだった。
 王国へ入り込み、国のために働いた。
 その裏で情報を集め、実力者たちを少しずつ手にかけていった。
 けれど剣士は、王を慕ってしまった。国の人々に情が移ってしまった。

 城から海岸へ降りるには、墓地を通るのが一番の近道だった。
 「ここはエリカ型の天使のお墓なんだ」
 エリカ、剣士と仲の良いアヒルの姿をした天使である。
 小さいものから、大きいもの、様々な石塔の間を進みながら、それが目に入ってしまった。
 「……エリカ!?」
 自分を二人、縦に並べても追いつかないほど大きな姿のエリカ。
 そのエリカの目線が、今剣士と同じ高さにある。
 「エリカ!エリカ!」
 いつも優しかった目は虚ろで、光を宿してはいなかった。
 「エリカ、この泡…」
 王が、エリカの口元についた泡に気が付いた。
 「お前、何かとつながって…」
 泡は、転々と空中に浮いて、どこかへと延びていた。
 この先に、エリカを殺した者がいる。
 剣士は、顔を上げた。

* * *

っていう夢を見ましたー。
この後見開きで天地に雷が走ったページに、エリカの辞世の詩的なものが入って、以下次号。
たぶん剣士自身が破壊神になるんじゃないかなーって思ってるんですが。
来月続きの夢が見れたらいいですねえ。
あ、首だけの人は猫の頭でした。
天使が治めて、猫が最強の国っていったい何さ。

…っていうかね、ジャンルがよくわからないよ。
びーえるなの!?ファンタジーなの!?
なんでエリカだけ名前覚えてたんだろう…。
ああ、いや、王と剣士はね、あの、名前だすとちょっと差しさわりあるんで…
某芸能人だったんですが、いやあの(ry

アバター
2011/10/18 00:26
>にぼしさん
実は剣士は男に見せかけて、女の子だったというお約束のオチもまっていたようなんですが…!

やー、無駄に長い文章読んでもらってありがとうございます^^;
見れたらいいですねえ。見れたらUPしますw
アバター
2011/10/17 09:52
キター!
待ってました。ドラマティックな夢!!

実は昨日読もうと思ったら、子供たちに邪魔されて読めなかったという^^;

ホント、続きはどうなっちゃうんでしょう。
ぜひがんばってみて、UPしてください~♪



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