契約の龍(21)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/15 22:45:12
「……それかもしれない。龍が「大食い」する理由」
「理由?」
「誰かが、死んだ大公を、生き返らせようとしている」
それならば、最大級の「禁呪」だ。
「誰か、って………誰が?」
「さあ、それは…誰にせよ、「金瞳」の持ち主であることは確かだ。…あるいは、すでに死んでしまった誰か、かもしれない」
「でも、それって……」
「ちょっと待って」
クリスが続けてなんと言おうとしたのか、は判らない。
「…学長から、呼び出し。クリスを連れて、学長室へ来るように、と」
一週間後。俺たちはハース大公家の門をくぐっていた。
ほかでもない、ハース大公その人の葬儀に参列するために。