Nicotto Town


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珪化木とブランデー ~錫の兵隊~


珪化木って知ってるだろうか?
何らかの原因で、樹木がそのままの形で化石化したもの。
私が初めてみたのは、輪切りにされた円盤状のものだった。
年輪までくっきりと浮き出て、驚いたものだ。
この形に化石化するまで、どれぐらいの時をかけたんやろか?
なんて考えたのを、今もはっきりと記憶している。

この珪化木を舞台のバーカウンターに使った、切ないSF短編がある。
ジョーン・D・ヴィンジ作の「錫の兵隊」だ。
主人公はバーのマスター、サイボーグのマリスと、女性宇宙飛行士のブランディ。
この話の設定は、男性は宇宙飛行に適さず、女性だけが宇宙飛行士になれる。
宇宙を翔けるため彼女たちが払う代償…

それは「時」だ。

ウラシマ効果のため、宇宙から地上に降りてきた時、友人や家族、恋人は、もうどこにもいないか、年が離れすぎてしまう。
ただ、バーのマスター、サイボーグのマリスだけは年もとらず、いつもの笑顔で彼女たちを迎える。
ブランデー色の瞳と、銀の髪の新人飛行士ブランディは、仲間につれられてこのバーを訪れる。
それが2人の恋物語の始まりだった、
このバーのカウンターボードが、珪化木、それも部分的に美しくオパール化したそれだった。
全体が丁寧に磨かれ、琥珀色に輝くそのカウンターに「お帰りなさい」とおかれる琥珀色のブランデー。
情景描写が丁寧で、色とブランデーの香りとともに、今も忘れられない名作だ。


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2011/09/22 21:25
猫と台風とマサ吉 さま
おしゃれじゃなく、大変叙情的かつ切ない小説です^^:

ケイさま
この話は、アンデルセンの錫の兵隊がモチーフになってます。
ある意味悲恋物なんでしょうが、エンドマークを見たとき、暖かな気持ちになりました。
印象深い秀作ですねえ。

Yureさま
ややこしいことや、難しい事を突っ込みだしたらキリがないよなあ^^:
作者の暖かな眼差しが感じられる、とてもいい作品だと思います。
女性の女性による女性のための、少女小説的SFとでもゆうべきか^^?

さくら✿さま
おほめいただきありがとうございます^^
残念ながら、マイナーな小説ですから、蔵書してる図書館も少ないとおもいます。


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2011/09/19 10:42
このブログ自体がステキなエッセイになってます♪
う~ん 残念
図書館で検索してみたんですけど うちの図書館には蔵書がありませんでした
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2011/09/18 21:03
抒情的なSFの許されていた、なんとも良い時代でしたね。 
今の科学技術から見ればツッコミどころは満載ですが、想像力と感性の資質を問われるのもまたSFでしょうし・・・ 女流ならではの雰囲気のある、よい作品でした。 うちにもあるはず・・・(また探しだしました・・・ ^^;
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2011/09/18 20:18
せ、切ない…。なんとも味があるお話ですね。
帰ってくるたびに何十年も経っていたら、目標とか目的とかっていう感覚が抜け落ちそう。
サイボーグが恋人になるのに、なぜか暖かさを感じました。
珪化木の年輪、筋になっていて綺麗ですね。画像検索しました。
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2011/09/18 20:03
なんかお洒落なSF小説なんだねw



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