Nicotto Town


きいてニコタリーナ


哲学ぶるのって楽しいよね

今は遠い、短かった大学の日々。

私は人文系だったので、心理学や哲学の講義を多く取ってたのだけど、

そのうちのある講義を受けた時、すごく頭が混乱したことがあった。

て言うのをふと思い出したので、覚えてる限りで書き殴ってみる。

テーマは、「私」とはいったい何か? どこまでが「私」なのか?
 



チューリップは、球根の状態でも、新芽でも花が咲いていても枯れても「チューリップ」。

猫は、仔猫の時も大きくなっても太っても、脚が一本なくなっても死んでも「猫」。

私は、赤ん坊の時も少女時代も、大人になっても年老いても死んでも、

学校に通っていても無職になっても髪を染めても化粧をしても「私」。

その同一性。

どうして、全く異なるように見える球根と花の株を、同じものと認識するの?

球根はともかく、人間の場合のそれは、「心」だと言われたことがある。

心。私を認識する存在。それこそが、私を「私」たらしめる、と。



その延長か、「私」ということを考えるとき、体は単なる入れ物、みたいに言うことがある。

外の世界を認識し、感情を生み思考する、この意識こそが「私」だと。

しかしそれなら、眠っている間や、意識を失っている間の私は「私」ではないのか?

そうではなかろう。意識=心=私、と言うのは乱暴だと私は思う。

脳内の、ほんの一部の特定の活動のみが、「私」なのではないだろう。

意識と無意識、心と体、その全てが「私」だと感じる。

相手によって演じる役割。家族に、友人に、他人に対して着けるペルソナ。

無意識下の恐怖感や、鮮やかなイメージ、とりどりのクオリア、愛しい記憶たち。

けなげに鼓動を続ける心臓、キーボードの上をつたなく踊る指、地を踏みしめる両足。

「私」という個体。



でもそれなら、たとえば足を失った時――いや、そんなに大げさでなくていいや、

髪が抜ける、爪を切る、垢を落とす、排泄する、血を流す、それらの行為。

あるいは、ご飯を食べる、水を飲む、化粧水をつける、薬を飲む、それらの行為。

「私」は、日々自分の中に何かを取り入れ、何かを切り捨てて生きる。

それなら、どれが「私」なんだ? どこまでが「私」なんだ? 

どの時点で物質は「私」になり、どの時点で「私」でないものになる?

私を構成する細胞が、すべて入れ替わってしまっても、私が「私」なのは何故だ?

咀嚼し飲み込んだご飯は、いつ「私」になる?

指を怪我して流れた血が、「私」でなくなったのはいつだ?

目に入れたコンタクトレンズは、顔に塗りたくった化粧は「私」の一部か?

膀胱や腸に溜まった老廃物は、耳に溜まった耳垢は、「私」の一部か?

もし他人の内臓を移植したら、その器官は「私」なのか、他人なのか?

もし事故で足を失ったら、「私」の一部が欠損してしまうのか?

薬の力で脳内物質を補完し、鬱状態を防いでいる私の心は、本当に「私」だけのものか?




思うに、「私」を点で捉えるからおかしいことになるんじゃないか、と、

大学に行けなくなって4年目の私は考えるようになった。

チューリップは、前の球根が育って別の球根に分かれて、

根を伸ばし、大地の栄養をもらって芽を出し、太陽の恵みを受けて成長し、やがて花開く。

あるいは、猫が盛ってオスとメスが交わり、メスの体内で仔が成長し、必死の思いで出産して、

仔猫は母猫のお乳を飲んですくすく育ち、よちよち歩きからやがては

虫や小動物を狙うハンターへ。そしてまた盛りがついて、相手を求める。

その過程。連綿と続く縦の流れ。無限に続く横の広がり。

その複雑な関係性の中に、自分のルーツと、過ごしてきた膨大な歴史を持って、

確かに存在するということそのものの連続性が、イコール同一性なのではないか。

両親の、そのまた両親の、と過去へ無限に続く、私の系譜。

血だけじゃない。例えば私の好きな小説家が影響を受けた、先輩の小説家がいれば、

その系譜だって、立派に私の思考のルーツだ。

私を育ててくれた人たち。家族。先生。友人。医師や心理士さん。

その他にも、私の生活を、見えないところで支えてくれる人たち。

食べ物を作ってくれた人。着るものを作ってくれた人。etc.etc.etc.

そういう関係性、連続性の中に、私は確かに存在する。

私は、広い世界にただいきなりぽつんと放り出された訳ではない。

私を世に送り出してくれた無数の人がいて、私が未来に繋ぐべき無数の人がいる。

関係性の総和。これこそが、「私」なのではないか。



うお、なんだこの文字数。

えらそうに拙論垂れてすみません。終わっときます。

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2011/08/27 22:39
かんがえかたとして
基本的に物質ありきなのかなぁ

逆に 心ありきで考えて

な、な、な、んつって



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