Nicotto Town


おうむたんの毒舌日記とぼうぼうのぼやき


短編? 「闇の家」その5

翌日から、少しづつおとうさんは、私を日中外に連れ出すようになった。影の訓練だと、おとうさんは重々しく宣言した。最初は日没前のちょっとの時間から始まって、訓練は少しづつ長くなっていった。まず、建物の影から。建物は動かないから簡単だろうと思ったが、おとうさんが注意した。
「建物は動かないが、太陽の光は動いているぞ、ちょっとずつ光の動きに合わせて建物の反対に動かないと光の矢が突き刺さるぞ」
実際、ちょっと気を抜くと太陽が動いていて光の矢が突き刺さった。また太陽の角度で影の形を変えなきゃならないこともわかった。
動いていない建物の影でさえ、注意することはいっぱいあって、おとうさんは人間の影を任せるのはまだ先だなと笑った。
日没後、闇の家に帰るとおかあさんが、光が突き刺さったわたしを優しく癒してくれた。

「闇の家」の中では、私は自分が実体があるように感じるのだ。痛みをさすってくれるお母さんに
「どうして、ここでは実体があるように感じるの?」
と尋ねてみた。
「闇が私たちを守って包んでくれているんだよ」
とおかあさんが優しく答えてくれた。影の練習を始めて、「闇の家」がどんなに心休まる場所なのかを知った今、おかあさんの答えもなんとなく理解できた。闇が影に実体を感じるの力を与えてくれるのかもしれないと私は思った。
「植物が光合成で育つみたいな感じなのかなぁ?」
おかあさんは
「なかなか、うまい表現ねぇ。ただ影は成長はしないけれどね」
とクスッと笑った。


その日。日の出から日の入りまで影の練習をやって数日たった頃、私は疲労がずいぶんたまってるのを感じていた。毎日、影になってるおとうさんを思うと、まだまだ自分がひよっこだと思い知らされる。それにしても疲れた・・・。
その疲れを狙われたと言わざるを得ない。初めて私を「影」にした村人が、建物の影になってる私をあっという間に引きずり出したのだ。一瞬のことだった。建物に私の分身が残ってる。でも私の意識は村人にさらわれて、村人の影になって引きずられてしまった。また初めての分身を、いきなり体験させられてしまった。しかも、村人は自分以外の影がない方向へズンズン歩いていた。これでは、おとうさんの分身がくることもできない。私は恐怖を覚えた。

「おとうさん!」
心の中で精いっぱい叫ぶ。
村人が笑った。
「さすがに、影のない所に「おとうさん」は助けに来れないさ」
私の叫びが聞こえてる?どうして?おとうさんを知っているの?どういうことなの?

(つづく)
裏話;オリジナルはほぼここまでだったんですが、謎の村人の感想が多く、皆さんのコメントで話が長くなることになりました^^。
村人談;意外に人気で登場場面増えました♪←つっこんでください(--;

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2011/08/27 08:32
え!!おうむたん人間登場?!
村人!これはぁ~侮れないぞぉぉぉぉおお!!
影ちゃんピ~ンチ!!
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2011/08/26 15:15
おい!村人!ヾ(*`Д´*)ノ"←とりあえず突っ込んでみました。w

   
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2011/08/25 22:56
この村人、影のお嬢ちゃんとお話が出来るんだ!悪者なのか?・・・

村人を演じてるのは、、、おうむたんだべ?wwwwwビヨ



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